夢洲の地盤に関するおまけ 【大阪万博 その07】

 こんばんわ。村山恭平です。
 地盤の話から一度離れる前に、今回調べたり考えたりしたことで、まだ記事化していないことを2つ書き留めておきます。いわば小ネタ集です。

 木製リング誕生の謎

 大阪万博のシンボルは良くも悪くも例の木製巨大リングです。けれども奇妙なことに、このリングの建設が公表されたのは2022年の秋です。夢洲が候補地になったのが2017年。2018年に開催が正式に決定し、各種の資金計画がスタート。コンテンツの中で費用も存在感も最大であるシンボルの決定は、その4年も経ってからです。
 夢洲の地盤を考えれば「太陽の塔(重さ約15t)」すら、簡単には建てられないのですから、でかいものを作るには、目方を軽くしたうえで横に拡げるよりありません。
 おそらく、万博誘致あたりの段階では、別のシンボルの計画があったのではないかと思います。ところが、ボウリング調査で現地の地盤がわかったのが2020年頃、技術陣から「夢洲で重い物はヤバイ」という結果が上がってきたのではないでしょうか。そこで慌てて考案したプランB(?)が「軽い・でかい・高い」の木製リングだったという訳です。
 ちなみに、地盤の問題の深刻さを維新の政治家たちが認識したのはもっと後ではないでしょうか。2023年の秋にもなって、吉村知事はhttps://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/06/news120.html">https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/06/news120.html">https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/06/news120.html「ガンダムを万博で見たい。ぜひ実物大を万博で見たいなぁと楽しみにしている」 などと脳天気なことを言っています。単なる外交辞令、不可能を承知で数少ない国内参加企業のバンダイに花を持たせた発言だったらいいのですが、どうもそうとも思えません。
 もし強引に、25tの実物大ガンダムを夢洲に持ち込んだら、起こることは次の3つのいずれかです。

A.本格的な杭基礎工事をして「金食いガンダム」
B.ずぶずぶ沈む「泥沼ガンダム」
C.会期中一度も立ち上がらない「寝たきりガンダム」

 ファンが激怒しそうな「ガンハラ」計画です。もちろん、こんなことが出来るはずもなく、巨大ガンダムの話は、いつの間にか立ち消えになりました。
 政治家や万博協会が、夢洲の地盤の深刻さを体感していなかったことが、多くの国のパビリオンが詰んでしまった原因の一つにもなっていそうです。

 チェコ館の建築確認の遅れ

 チェコ館は、海外パビリオンの中で最初に建築確認申請を出したのに、それが通って着工できたのは今年(2024)の五月。https://news.yahoo.co.jp/articles/0b7ba001ac62c18587ac2e2fde6a2977014cd597">https://news.yahoo.co.jp/articles/0b7ba001ac62c18587ac2e2fde6a2977014cd597">https://news.yahoo.co.jp/articles/0b7ba001ac62c18587ac2e2fde6a2977014cd597審査に8ヶ月もかかったことになります。「技術的に高度なものなので、行政から建物の強度を示すための試験を求められた」 とか「建設業者がなかなか見つからず、契約ができたのは4月のことだった」とか、不安なことがいろいろ出てきていますが、https://mag.tecture.jp/culture/20230618-91388/">https://mag.tecture.jp/culture/20230618-91388/">https://mag.tecture.jp/culture/20230618-91388/完成予想図を見れば当然のことだと思いす。
 総ガラス張り(約)4階建てですから、それなりの強度が必要になり当然重くなります。渦巻き状ですから場所によって地盤にかかる加重が変わります。しかも、上階が最下層の階より大きくなっていて不安定な構造です。今世界中を悩ませている夢洲の軟弱地盤をなめてもらっては困ります。
 審査に8ヶ月もかかってと言われていますが、よくもまあ大阪市建築局が着工を認めたものです。技術的な議論や実験データが出そろったのか、チェコの粘り強さと維新からの圧力に根負けしたのか知りませんが、今後の中間検査や完成検査でどんなことになるのか、心配です。ちなみに建築確認については、概要が公開されるはずですから一度市役所に見に行こうかと思っております。