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ライブドア事件について考える

1月25日

梅田望夫さんという著名なブロガーさんが、堀江氏について


若い人たちが、ビジネスの世界で何かやってみたいと夢を持つときに(それは起業した会社を公開企業にするという大きな夢であっても)、堀江氏のような「スケールの大きさ」は、決して必要としないということである。よくも悪くも、「普通の人」は、あそこまでは絶対にいけないものだ。
(中略)
堀江氏の軌跡を見つめながら、一つだけ確実に言えると思うことは、「普通のスケールの大きさの人」であれば引き返したであろうポイントが、彼が歩んできた道のりの途中に、いくつもいくつも、いや無数にあったろう、ということである。
そして、そういうところで引き返すような「普通の人」にとってだって、ビジネスの世界というのは、起業家になるということを含めて言っても、十分魅力的な場で、「普通の人」が普通にやれる範囲でごく普通にやっていって成功できる可能性を持つ「普通の世界」だということである。
なぜかそういうことを今書いておきたいと思った。なぜかはよくわからないのだが。

ということをエントリーに書いていた。
この文章の内容については、非常に強く納得する部分がある。
梅田さんは堀江氏のことについて「スケールの大きな人」という表現の仕方をしたけれども、もう少し突っ込んだ書き方をするのであれば「一線を越えてしまった人」ではないかと思う。
普通の感覚を持っている人間ならば、それを踏み越えるのにためらいを感じるある一線がある。
そして、「どうもこれ以上先に進んではやばいかもしれない」と感じて引き返す。
しかし、堀江氏はその一線を踏み越えていってしまったのだと思われる。

どこでその一線を超えてしまったのだろうか?
わたくしは、今回の騒動の中で亡くなった野口英昭氏が主導的な役割を果たし、そして当時在籍していた社員の3分の1が退社するきっかけとなった旧オン・ザ・エッヂの株式上場の辺りではないかと何となく思っている。。。

1月23日

堀江貴文容疑者逮捕。
ライブドアに強制捜査が入ってからちょうど一週間である。
あまりにも多くの情報が有り過ぎるので混乱しているという状態は未だに続いているけれども、この件に関してや堀江貴文という人物については、いずれまとまった文章を書きたいと思う。
物書きになりたいという希望ももちろんあるけれども、まず物を書き、思考する時間を多めに取ることのできる仕事がしたいと思う。
今の状況もけっこう恵まれてはいるけれども、ちゃんと毎日物を書き思考することのできる時間がとれないものか、と思う。


1月21日

昨日終電ギリギリまで仕事をしていたので、朝起きるのが非常に辛い。
目が覚めても、何となく布団の外に出る気がしなくて極限までだらだらしている。

ようやく布団から這い出て窓を開けて外を見ると、普段見慣れた景色が真っ白な雪で覆われている。
上京してから10年が経過したけれども、東京にここまで雪が積もった景色を見たことが無い。
今私たちが生きている社会は汚濁に塗れ、人間の肉体に例えるならば身体のあちこちにガン細胞が転移し、病状が日に日に悪化している状態である事実をきちんと把握している人間は多くはない。
しかし、ちっぽけな人間の存在では日本の社会がほんの10年の間に急速に腐敗し、何者かに息の根を止められようとしている状態をただただ指をくわえてまま見守っていることしかできないとしても、天は人の子の住む世界が浄化し、再生を始める事を強く望んでいることだろう。
この真っ白な雪景色と止む気配の無い降り続ける雪を眺めているとそんな風に思う。

だらだらしていても仕方がない。私はとりあえず昨日片付けることの出来なかった仕事の残りを何とかするために会社に出かけなくては。。。


1月18日

今日も風邪のせいで、著しく思考力と読解力が低下している状態が続いている。
しかし昨日よりは少し状態が良くなったのか、ライブドアショックで株式が激しく売られ、その結果東京証券取引所のシステムが停止してしまったというニュースや、その他いろいろのニュースの2chのスレッドを読んでいくうちに、何がどちらに動いていこうとしているのかという事が何となく把握できるようになった。

今回の騒動で個人的にいろいろと驚かされたことは、ライブドアに強制捜査が入ったそれ自体でも、ライブドアの前身の旧オン・ザ・エッヂの株式上場の際に大きな働きをした元幹部が沖縄のカプセルホテルで不幸な自殺を遂げたことでも、ライブドアが闇社会とつながっているらしい。ということでもなく、

・ライブドアの株主は、ライブドアホルダーを略してアホルダーと呼ばれていた。もっとはっきり言ってしまえば「あんな会社の株持っているほうがアホ」というのがネット上の見解のようにわたくしには思われた。
ライブドアの株を持っている人間というは、一日の株の上下の変動を見て株を売り買いするデイトレーダーと呼ばれる人種か、「既存勢力に一人で立ち向かう」という堀江氏の行動そのものを支持しているいわゆる「信者」とよばれる人々が大半を占めているのではないかと思われた。
しかしいろいろネットを見ていると、1000万円以上のとんでもない損失を出してしまった人も結構いるらしく、まともに買っている人も多いのだと思った。

・東京証券取引所のシステムが停止した件については、「株価の暴落を止めるためにわざと少なめに『約定件数の上限は450万件』と言っていたが、東京証券取引所のシステムの処理可能な件数はもっと多い」という書き込みもあったけれども、上司のおじさんの話を聞いたところ、耐用年数を既に超えてしまったシステムをだましだまし動かしているので、約定件数の上限は450万件というのは本当で、それを超えてしまうと日次更新のバッチ処理?なるものの処理が一晩で終わらなくなってしまうようだ。

・ライブドアの株というのが株式分割を繰り返して膨大な株数が発行されていることはよく知られているけれども、発行された株式の総数は10億株を上回り、その数は現在東証1部で発行されている株式の総数の3分の1になる。しかも通常株価が700円前後の株式は1000株単位くらいで売買されるのが通例であるが、ライブドアの株式は1株単位で売買可能であった。このようなライブドア株の存在が東京証券取引所の耐用年数を既に超えてしまったシステムに不必要に大きな負荷をかけてしまっていたのだ、ということは容易に推測される。

という3つの事についてだった。

いろいろなネット上の情報を見ていくうちに、急成長を続け多大な利益を出しているという綺麗にお化粧された決算報告書やマスメディアの「既存の旧勢力に対抗する改革者」というイメージによって人々をライブドアの株式を買うように扇動し、その株式売却益によって弥生会計やターボリナックスや近鉄の球団やニッポン放送やフジテレビなどの既存の企業を買収しようとするビジネスモデルというのが確立しており、ポータルサイトやブログというのはIT企業という体面を保つだけに運営していたのだということが徐々に理解できるようになった。
ちょっと前に「株式上場ということを行うことによって創業者には億単位の利益が懐に入る」ということを知って、えらいことびっくりしたのと同時にそのあたりの知識に疎かった自分を少し恥じた。
それまで、なぜ人々が「ビットバレー」と騒いているのかよく理解できなかったし、大学時代に少しだけアルバイトしたところの社員の人が「ネットスケープの会社を作った人のように資産60億を目指します!!!」とえらいことハイテンションで語っている理由もよくわからなかった。
このあたりの経済や会計絡みの知識も生きていく上で踏まえておかないといけないな。と思う反面、適当に投資家にとって見栄えのよい会社を設立して株式上場を行い、億単位の利益を懐に入れることを目的にするのは真っ当な方法ではないな、とも思う。
そこら辺のバランス感覚が微妙に狂っているのが現在の世相であると感じる。


1月17日

先週の土曜日から、風邪のせいで、著しく思考力と読解力が低下している状態が続いている。
週末に日記の文章をある程度書こうと思っていたけれども、1文字も書けていない。
今日は阪神大震災から11年目の日であり、幼女連続殺人を犯した宮崎勤被告の最高裁の判決が出る日であり、そしてこの日に国会でヒューザーの小嶋社長の証人喚問が行われ、さらに昨日の夜から徹夜で六本木ヒルズのライブドア本社と、新宿歌舞伎町のライブドアのメールサーバーが置かれているビルに強制捜査が入っている。

何かとてつもないものが動き出したのだ。ということは理解できるけれども、どちらの方向に動き出そうとしているのか。
堀江貴文という人物は何者だったのだろうか。ライブドアの株主や先の衆議院選挙で彼に投票した人々が信じていたように、閉塞した社会を変革する力を持つ改革者であったのだろうか。
それとも、大きな組織の傀儡として人々の目を引きつけるように動いているだけに過ぎなかったのだろうか。
そうだとしたら彼の背後にある組織は何なのだろうか。
この国を守ろうとして動いているものだろうか。それとも、この国を弱体化させようとして動いているものだろうか。
2chのスレッドを見たりニュースを見たりして、自分なりに何とか状況を把握しようとしたけれども、風邪のせいで著しく思考力と読解力が低下しているので大量の情報を脳に入力しようとするととっても気持ちが悪い。
こんな大変な時に風邪を引いているなんて、自分が情けないと思う。。。

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2006年01月27日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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