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Qちゃんのインサイド名古屋論

4月10日

今日はゲームセンターに行って「クイズマジックアカデミー2」を試しにやってみた以外は、一日中おうちで勉強していて特に書くこともない。でも最近長屋の隣の江さんやマスモトさんが名古屋についてあれこれ書いているので、わたくしも名古屋について書ける事を書いてみようと思う。

わたくしは小学3年生の終わり~高校卒業まで名古屋に住んでいたけれども、名古屋の文化というものを一言で表現すると「閉鎖的でケチ」という感じだろう。よく名古屋の人間を揶揄する時に「3食味噌煮込みきしめんを食べ続けて、トラック3台くらいに載せて運ぶ娘の嫁入り道具を買うためのお金を貯めこんでいる」ということが時々言われるけれども、これがけっこう誇大表現として斬って捨てることもできない部分がある。普段のごはんとか、お洋服とか、レジャー活動とか、そういうものにはあまりお金を使わない。文化って言うものは大量のお金をドブに投げ捨てた後に生えてくるような側面もあるので、名古屋という地域が「文化的不毛地帯」だといえば確かにそうだと言える部分もある。
だから、ここ近年女性誌などで「名古屋嬢」なるものが大々的に取り上げられるのを目にすると、「不況で日本全体でみると若い女性がお洋服や化粧品などに使うことのできるお金が少なくなっていて、比較的お金に余裕のある女子が名古屋地区にしか生息していないからといって、名古屋の女子のファッションが大々的に取り上げられるというのは、1970年代に女性誌が創刊されて以来ずっと形成されてきた『女性誌的なものが煽りまくってきた先端的な消費文化』のどんづまりではないのかしら。『名古屋嬢』の中身といえば、要するに親と同居している小金持ちの娘さんが巻き髪を巻き巻きして、ルイ・ヴィトンのモノグラムのかばんを持って、(←ここが重要ですが、例えルイ・ヴィトンでもヴェルニや村上隆のデザインした変なやつは、名古屋地区では有名な大須のコメ兵が高値で買い取らないため、名古屋嬢は避けて通ります!)で、ピンクでリボンのついたお洋服を着て、週末には母親と一緒に松坂屋か高島屋でお買い物をする、という保守的なものの極致ではないでしょうか。」
などとわたくしなどは思うのだけれども、それでもやはり名古屋が良い意味でメディアに取り上げられているのを見ると中日ドラゴンズが優勝したときと同じようにささやかに嬉しかったりするわけで、そのあたりはちょっと複雑だ。

でも一方で「名古屋の文化が特別だ」とも言われているわけで、そのあたりは「名古屋がとっても閉鎖的」ということが関係していると思う。地理的に隔離されているために他の地域とは異なる生態系が発達したタスマニア島やガラパゴス諸島のようなものだ。東京と名古屋を比較すると、いろいろと違う点があり過ぎてあまり比べ物にはならないけれど、わたくしが個人的に思うにここが一番違うんじゃないかなあと思うのは、「名古屋には学生街が存在しない」ということだろうと思う。
わたくしのように高校を卒業してから他の地域の大学に行くというのは、決して少なくは無いけれどもどちらかというと異端で、早稲田・慶應以上の名の通った大学や地方の医大に行くという以外なら手堅く地元の大学に進学するという人の方が多いと思う。(ちゃんと統計を取ったわけではないけれども。たぶん。)そういう感じなので、南山大学や名城大学など全国区ではあまりネームバリューが無いところでもそこそこには偏差値が高かったりするわけで、入学者の大半は地元民で占められてしまい、他県から若者がどっと押し寄せてくることもない。
そんな感じなので、東京その他多くの都市が「若者が一人暮らしをしている」というのを前提として盛り場のアーキテクチャなどなどが決定されているのに対し、名古屋では「若者は親の家に同居している」ということが前提となって街のあれこれが決定されてしまっている。おそらくこれが「たとえ人口が200万を超えていようが名古屋は田舎」ということを決定付けているように思う。

だって、人間の流動性というものが本当に無いですもの。


内田先生のエントリーの中で、"「異族」が住みつくことができるのが都市の条件"という一文があったけれども、名古屋には「異族」が住み着く余地があまりないような気がする。住み着いたとしても、「住むからには、村人の一員としてちゃんと村の掟を守ってくださいねー。車はトヨタのを買って下さいねー。」と強制的に名古屋人の一員にさせられてしまうような部分がある。
名古屋に一応港も無い訳ではないのですが、主な用途は「トヨタ製の自動車の出荷」であって、そこから「異族」や「異文化」が流入することは絶対ないだろう、というのが現状だろうと。
ここには「異族」が身を寄せ合って暮らしている逃れの町もなく、きらびやかな文化を目くらましにして騙す相手である他の田舎からやってきた若者もおらず、ただ名古屋人が普通だと思っている日常だけが存在して、その「普通」を他の地域の普通と比較したり擦り合せたりすることも無い。
そのような形で何となく自然に形成されてしまったものが、とんかつに味噌ベースをつけて食すだとかコーヒーを頼むともれなくピーナッツがついてくるとかいうことに代表される「他の地域の人から見るとびっくりの、とってもディープな名古屋独自の文化」ではないだろうかとわたくしは思う。
しかし、「名古屋がとっても閉鎖的」ということが悪いことだけあるというわけではなく、人間の流動性があまりないものだから住宅の供給に比べて需要もあんまりなくて、その結果関東圏や関西圏と比較すると家賃が圧倒的に安い。
昔わたくしの両親がよくわたくしに文句を言っていたこととして、「東京でワンルームマンションを借りている家賃とほぼ同額で、名古屋では3LDKを借りることができる!!!」ということがあった。わたくしはそれを聞いて「それが東京での家賃の相場だから仕方がないではないかー!!!」とその時は思っていたけれど、今改めていろいろ考えてみると、名古屋圏は家賃相場が他と比較するとかなり安いものだから人々のお給料を低めに抑えておいてもあまり文句が出ることもなく、その結果としてメーカーさんが人件費を切り詰めることが可能なので、グローバルな視点で見た場合でも企業の競争力がそんなに削がれることがなく、今のデフレで不況な状況でも名古屋地区だけ活況を呈することができるのではないかのなと。
ちょっと「風が吹けば桶屋が儲かる」的な思考ですが。

・・・・・・実際に書いてみると、長いくせにまとまっていなくて、且つ書こうとしていたことが全部書けていないので鬱になっているのですが、これを読んで少しでも名古屋に興味を持たれた方は、清水義範氏の傑作である「蕎麦ときしめん」や、村上春樹氏らによって書かれた「東京するめクラブ」の名古屋編などを読んで、とってもディープな名古屋文化に戦慄してくれれば有り難いなあ、と思うのです。


4月5日

ものすごくついていない日でたった24時間のうちにとんでもないことが立て続けに起こったけれど、一番とんでもなかったのは職場のマシンを壊してしまったことだ。
まず、隣の人のマシンの配線をいろいろ動かしているうちに、どうしてだか理由はわからないけれどわたくしのマシンの電源が自然に外れてしまっていた。
真っ青になって自分のマシンの電源を立ち上げてみたところ、一応マシン本体の起動は正常にできたけれどもディレクトリの移動やアプリケーションの起動ができなくなっていて、全くお仕事にならない状態になっていた。
それについてはスキャンディスクをかけてみたところ見た目は正常に動作するようになったけれど、何とかマシンも復旧したしほっとしたわ、と思ってさくさくお仕事を進めているところに、上司のおじさんが「念のため、マシンの電源が自然に外れたりしないように一度マシンの電源を落として自分の足元のコンセントから電源を取るようにしておきなさい」と言われたのでそれに従って自分の足元から電源を取るようにしたところ、何もさわってないのに勝手にマシンの電源が入ってしまい、そしてそのまま起動できなくなってしまった。驚愕して思いつく限りの手を試してみたり、上司のおじさんや同僚のお兄さんを巻き込んでハードディスクを他のマシンに入れ替えてみたり、マシンを開けてみて何かおかしい所がないか探してみたりした。
4時間くらいあれこれとやっているうちに、同僚のお兄さんが細い回線の束に針で開けたくらいの小さな穴があいていて断線しているのを発見して、動かなくなった別のマシンから回線の束を取ってきて付け替えてみたところマシンが正常に動くようになった。何とか最悪の事態は免れたけれど、今日は結局5時間以上マシンを復旧させるための作業に時間を取られてしまい本来やるべき作業に大幅な遅れが生じてしまった。あーあ。

しかし「どうしてマシンの電源がいつのまにか外れていたり、変な動きをしてしまったんだろう。」と考えると、「マシンがわたくしの身代わりになって、わたくしに向けられている強い邪念を引き受けてしまったのではないか」とどうしても思ってしまう。
全く科学的ではないけれども。
ああ、でもそろそろ真っ当な生活に戻さなくててはなあ。

コメント (1)

√はじめまして
なるほどっ、こないだ名古屋の街(&地下街)を歩いたときの疑問が解消されました
名古屋地区では親と同居している若者が多数派だからなんですね、納得です
どうもっ、通りすがりの登頂隊でした〆

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2005年04月13日 19:57に投稿されたエントリーのページです。

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