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2005年の予想(承前)

1月15日

この2週間のうちに少しだけ賢くなった部分があるので、2005年の予言に追加というか、補足を少し入れてみます。

・「会社」の寿命と限界が明らかになってくるかも

 医学の発展や栄養状況の改善、ということで人間の寿命はどんどん長くなる方向で推移しているけれど、会社だったりその他組織の寿命は機械化やらIT化やらで成長と衰退のサイクルの回転がやけに早まってしまったために急激に短くなる方向で推移している。ということで最近一人の人間が生涯のうちで労働可能な年数よりも組織の寿命が短くなってしまっているようなのです。
 ということなので、一部の公共的な色彩の強い組織を除く多くの組織では実質的に終身雇用を実現することはもう無理らしい。
 これに対して大半の人が「はいそうですか。」と答えて転職市場でも高い値がつく資格や技術の習得に努めたり、農業をしたりあるいは株式投資の技術に磨きをかけたりして自分で事業を起こしたりして会社に頼らない生き方をすればよいのですが、多くのサラリーマンは終身雇用を前提として自らを社畜と化し、組織内の無駄な政治的な闘争に明け暮れることを仕事と錯覚しながら生きているのだから、さてどうなるんだろう。
 30歳以下限定で話を進めると、他人の作った会社に入るよりも自分で会社を作る方が徐々にメジャーになるのではないかと、そんなことを思ってしまうのです。「厳しい就職戦線を勝ち抜いて入社したのに、上の世代の仕事の出来ない人の尻拭いをするために大量のサービス残業をさせられるし、その割にはお給料に反映されてないし、金銭面以外での扱いも良くなくてセクハラやパワハラも普通にあるし、自分が徹夜してお仕事しているのに周りの人は9時から定時までだらだらして平然と帰っているし、もしかして自分の置かれている立場というのは封建社会で貴族に死ぬほど搾取されている農奴や、産業革命時に資本家から死ぬほど搾取されていた労働者とほとんど同じではないか???」というような感想をあちこちで聞いてしまっているので。現在の多くの若いサラリーマンというのは往々にして上の世代のあまり仕事をしない人の給料を稼ぎ出すために凄まじい量の仕事をこなすことを強いられているというのも一面の真実、らしいです。

・そろそろIT革命の次の波がやってくるかも
 
 MicrosoftやDELLが高収益を上げている、googleの株価時価総額が5兆7000億円あるらしい、などと言われているけれども、この辺りの会社はあくまでITにおける「道具」を作ってきた会社である。次に必ずこれらの道具をどう使ってお金儲けをするか、という第2の波がやってくるらしい。
(ここら辺は全部ピーター・ドラッカーの受け売りなのですが。しかしこの人は現在95歳?なのに未だに現役の経営学者だったりする。凄い。)
 で、90年代に経済の覇権が製造業を極めた日本からITの第一の波に上手に乗ることの出来たアメリカに移っていったように、ITをどう使うかという観点で発生する新たなイノベーションの波をうまく掴んだ国家なり会社なりが2000年代の後半の経済の覇権を握ることになるんじゃないかと思われるのでいろんな人が「さあ次は何がくるんでしょうかねえ」と知恵を巡らせている最中らしいです。
 わたくしも「何かないのか」といろいろ情報を拾い集めながら現在思案中なのです。

・「象牙の塔」の権威が無くなってくる

 で、ピーター・ドラッカーが言っていることの中に「重要な情報は組織の外部に存在する」というのがあるのですが、そのことを証明するような事例が少しずつ見られるようになってきたのではないかなと。で、具体例を挙げようとして度忘れしてしまった自分が凄く嫌なのですがこれもピーター・ドラッカー氏の本から借りてくると、「この10年で通信業界にもっとも重要な変化をもたらした発明品-光ファイバー-は通信業界の研究所や大学から生まれたものではなく、通信とは無縁の繊維業界から生まれた」などということがあるらしいです。確か6個あるうちの5番目のクォークか109番目の元素かのどちらかも専門外の研究をしている人によって偶然発見されたというニュースを大昔に聞いたことがあるのですが、詳細は忘れてしまいました。
 ちょっと昔までは「象牙の塔」というと、そこには俗世間の人々には触れられないような叡智が存在するというどちらかと言えば良い感じのイメージが強かったように思われるのです。しかし、現在こんな風にして情報化が進んで社会全体が生み出す情報の量が爆発的に増加している状況では自らの仕事・研究に重大な影響力をもたらす情報や発明や出来事は自分の属している組織の外からもたらされる可能性が高くなってきたのではないかと。
 そういうような状況で「象牙の塔」を気取って俗世間から交渉を絶って、仲間内でのヘゲモニー争いに明け暮れていたり自分が世の中で一番賢いと自惚れていたりいるうちに、「象牙の塔」の中の住人が一番知識や情報から隔離されてしまっていたということに成りかねなくて怖いなあ、と思ってしまったりするのです。

 
・NEETは増える、しかも減る要因は全くない


日本社会を構成する要員のうち、最も弱い環を形成するNEETは現在「不況の元凶」と名指しされたりして良識ある人々から非難轟々だったりするのです。高学歴かつ精神を病んでしまってかつNEETであると周りから「多額の学費をかけたのに何ににもならないなんて、駄目人間だ。精神を病んでいるというのも仮病なんだろう」というような酷い言われ方をするので、人生の全てに悲観して練炭を焚いて静かにこの世から消えてしまおうと思う人が多いのもわからない話ではない。
(さらに練炭で死んでしまう人々についても非難をする人が少なくないというのもけっこう酷い話だなあと思ってしまうのです。一人の人間が死を決断するまでには、相当いろいろと本人なりに悩んだり苦しんだりしているのですが。)
 しかし、NEETというのは日本の社会と日本の企業が歪んでいる事の煽りを受けて大量に作り出されてしまっているということを忘れてはいけないのではないかと。昨日か一昨日くらいに、「来春の就職内定率が75.6%」という記事が載っていたのですが、この数字は途中で就職活動をリタイヤして公務員試験や大学院進学に切り替えたりした人、大学の就職化に自分の状況を報告していない人を分母から外しているので、東大の文系で50%をちょっと上回るくらい、早稲田・慶応でも50%を切るくらいだというのがより実感に近い数字だと言われていたりするわけです。
 企業側の論理としては「不況であるから人を雇えない」という部分が当然あるのですが、不況であることを理由に定期的に大量の新卒を採用する形から、専門的な職種は経験者の中途採用で、取替え可能であるような単純作業は派遣社員を入れて、将来的に会社の中枢を担うことになるような一部の社員のみを正社員として採用するような形にいつのまにか変わってしまっている(しかもこの変化は不況の続く日本だけではなく、世界的に社員の構成が正社員から派遣社員やアウトソーシングその他へとシフトしてしまっている)わけなのです。ということなので企業側にとって望ましい属性を持つような人間はすんなり採用されるのであるけれども、そうでない人間は落ちこぼされてしまう可能性が高い。
 で今年以降も職にあぶれた人間はどんどんNEETになってしまうんだろうと予測できるのです。
 これに、1回は就職したけれどもそこで挫折してNEETになったという人も加わってくる。
 NEETを何とかする方策、というのは簡単には出てこないけれども自分がNEETになるリスクを少なくするためには「自分自身の存在が資本主義社会では『商品』として認識されていること」「社会人になってからは、どれだけお金を稼ぐことが出来るかによって評価されること」ときちんと把握しておくことが重要かなと思ったりするわけです。自分自身でも書いていて嫌になるのですが。
 この5年くらいは理系の学部や、文系でも実学っぽい学部の人気が高い状態が続くというのも、仕方の無いことなのかもしれません。

 少しだけ注釈を入れるつもりだったのに、お正月に書いた文章よりも長くなってしまいました。
 現在おうちのマシンのOSのインストールに失敗したのでちょっと鬱入ってます。。。はい。 

1月13日

 今日はやらなくてはいけない仕事があるのに、扁桃腺が痛んでしょうがない。
 扁桃腺が痛むのは風邪の前兆で、明日から高熱を発してしまうんだなあ、、、と思う。
 「お正月だから」「お休みだから」ということで自分に言い訳をして不摂生な生活を続けていたツケが出てきてしまったようだ。規則正しくてきちんとお稽古もする真っ当な生活に戻さないと。 

1月9日

 とりあえず、今日は第7回大日本ビール党党大会に行ってくることにする。
 新宿ロフトプラスワンに行く前に、紀伊国屋書店の本店に立ち寄って「言語と文学」を探してみたのだけれども、見つからない。
 まあ確かに書名も、出版社名もきちんと覚えていかなかったので、仕方がないか。
 新宿ロフトプラスワンに着いた時にはもう6時をまわってしまっていた。
 ものすごく面白いオープニングビデオを見ながらまったりと過ごす。
 前々回はあまり近くの人などと話すことが出来なかったけれども、今回は周りのお兄さんともいろいろ話してみたりする。場所の問題か。 
 このあと大量のビールを消費してしまったので詳しいことは良く覚えていないけれども、木村剛に関するものすごくオフレコな話や、電車男に関するものすごくオフレコな話を聞いたことは覚えている。
 あと、最後の抽選会で、運良く???ものすごく面白いオープニングビデオを当ててしまった。
 しかし、この時に新しいハンドルネームをきちんと考えていなかったため、けったいな名前をつけられてしまったのでちょっと困った。
 このあとは場所を変えて徹夜で2次会に行ったけど、眠かった。
 隣にテレビ局勤務の方がいらっしゃったので、モー娘。などの裏話を伺ったことはかすかに覚えているけれど、大半は寝てしまったなあ。徹夜、というのはやっぱり苦手だ。
 さて、ものすごく面白いオープニングビデオをアップロードして多くの人々に見てもらえるようにするように頼まれたので、その方法を調べないといけないなあとも思う。 
 

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2005年01月17日 21:17に投稿されたエントリーのページです。

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