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「街的」が売れてます

8月30日(水)

ミステリー作家の黒川博行さんと、只今売り出し中の西加奈子さんと 「ダ・ヴィンチ」の座談会。
大阪(関西)弁による文芸作品と、大阪(関西)弁で書くこと等々についての考察の小特集である。
その中の4ページ分(だったはず)がその座談会である。
先に写真撮影をということで、新世界の通天閣の真下の喫茶「ドレミ」前に集合。
新世界にはここ数年、行ってない。
地下鉄動物園前から、ジャンジャン横丁を抜けて通天閣に行こうとすると、すでにカメラの福森クニヒロさんと担当の青山がアングルを決めていた。
久しぶりに見る新世界は、今風のグラフィックデザインを効かせた看板のレゲエが流れる串カツ屋とかが並び、キッズ相手のなにわ情緒テーマパーク的な店が増えている。
構図や露出チェックのためのポラロイドひいていると、手書きプリントのアロハ風のシャツを着た黒川さんがいらっしゃった。
でかい葉巻をくわえている黒川さんは、小説通りの雰囲気でちょっとアウトローな感じが実にサマになっている。
エスニック風な服がおしゃれな西さんもほどなくやってきて、喫茶ドレミへ行き3人で「お茶をしばく」。
座談会は撮影のあと場所を変え、140Bがあるダイビルで、ということだったが、すでにお互い初対面とは思えない雰囲気で話が弾む。
すでに座談会が始まっている状態なのを見て、担当の青山は「テレコ、持ってきたらよかった」と悔しがっている。
座談会の内容は、かいつまんで言うと「大阪(関西)弁による表現」についてで、日常のどんな「関西世界」から作品や文章が生まれているのかとかで、ダイビルの喫茶「大大阪」で、オレは例によってだんじり祭がらみの言葉の話や、岸和田の高校から神戸の大学に行ってまた違う言語運用を覚えたとか、とりとめのないことを話す。
西加奈子さんは、人は場面によって人格が変わるもので、「本当の自分を探す」みたいなことへの嘘っぽさを熱っぽくバリバリの大阪弁で語っていた。
高村薫さんをして「ダントツに大阪弁の会話をいきいきと書き言葉に収める芸当の出来る作家は、たぶん黒川さんしかおられない」と言わしめた黒川博行さんは、言葉少な目だが、小説の中の「書かれる」大阪弁の難しさや、編集担当者の出身地によって原稿が左右されることなど、さすが長いこと小説を書かれてきた経験上からの興味深い話が印象的だった。

おかげさまで、先週末に発売された講談社現代新書『「街的」ということ お好み焼き屋は街の学校だ』が売れている。
月曜日にジュンク堂大阪本店で、新書「今週のベストセラー」で5位にランクイン!
http://d.hatena.ne.jp/team140b/20060825
1位は安倍晋三の「美しい国へ」、2位はそちらの「まんがパレスチナ問題」、3位「御社の営業がダメな理由」、4位「憲法九条を世界遺産に」。
と、うれしがっていたら、な、な、なんと、昨日、「美しい国へ」と並んで1位になっていた。
http://d.hatena.ne.jp/team140b/20060829
そして午後8時、先週お電話を頂いていた、週刊文春の文春図書館のコーナー「著者は語る」のインタビュー取材で、週刊文春編集部次長の今泉さんがわざわざ東京から140Bにいらっしゃる。
この書き下ろし新書の内容は、なかなか一言で説明できないが、代表の中島も交えて、「街の情報とメディア」についてや、東京でしか誕生しない「いなかもの」とは誰のことか、とかをお聞きいただく。
取材は午後10時に終わり、黒川さんたちがいらっしゃる北新地のバー「パパヘミングウエイ」に3人が合流。産経新聞の総合編集部部長の鳥居さん(八尾出身)も交えて、ヤクザ&バクチな話で盛り上がる。
インタビューの掲載は来週号である。
いやはや週刊誌の進行はすさまじい。
そういえばこの『「街的」ということ』について、毎日新聞からの取材のオファー、北海道新聞から寄稿依頼も入っている。

コメント (2)

九左衛門:

「街的~」買わせてもらいましたー。
ってゆか、通天閣に来てはったんですか。
うっとこの会社、通天閣の目の前なんです。すんごい近所にいてはったんですね・・・

evian:

こんにちは。
岸和田祭りおつかれさまでした。
私は見物ですがやはり疲れました。
今月に入ってからですが
『若頭日記』を読ませてもらって、
小太鼓の音を活字で表現できるのか、
と寒気と感激におそわれました。
上司が買って先に読ませてもらったのですが
申し訳なくて第三章を読む前に一度返却しましたので、今週末あたり一番読みたかった第三章を読めるはずで楽しみにしています。
その前に、ツタヤでも『街的』売ってますよね。
見に行ってきます!

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2006年08月31日 21:00に投稿されたエントリーのページです。

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