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若頭最後の新年祝賀会

1月1日(日)

平成18年元旦。午前10時。
毎年恒例のだんじり前での新年祝賀会である。
段取りは若頭の担当であり、9時50分に行くとすでにだんじり小屋が開けられ、だ
んじり前には、筆頭と会計チームの手によって白布が敷かれたテーブルが並べられ、鏡餅、御年賀と書かれた清酒、スルメなどなどが献じられている。
それから別のテーブルには卓上カセットコンロが3つ並べられ、どデカイおでんの鍋
と胴長の味噌汁の鍋、「若頭」と書かれた4合入りのこれまた大きなステンレス製チ
ロリ数本(これは祭の時、水桶の水を飲むのに使う)に酒が入れられ、湯燗されてい
る。
「おでん、味噌汁、燗酒、て紙に書いて、テキ屋出来るのぉ」と冗談を言いながら、
段ボール箱を上手く使って、コンロの火が風で流れないように風防を作る。

元旦から続々と集まるだんじり野郎たち。
年下からは「おめでとうございます」年上からは「おめでとうさん」という挨拶。
毎年恒例であるが、時折雪が舞った去年や一昨年と思い出して比べると、とても暖かい。
若頭でだんじりを2メートルほど小屋から出す。
雲ひとつない快晴で、だんじりの大屋根破風を見上げると眩しくて目を開けていられ
ない?
定刻の10時を少し過ぎ、今年度の祭礼4団体の長、すなわち世話人から曳行責任
者、
若頭筆頭、拾伍人組々長、青年団々長が前に並び、だんじりに向かって全員が二礼二拍一礼。
そして御神酒の栓が抜かれ、若頭がめいめいに紙コップを配り、御神酒を1センチほど注ぐ。
平成18年度曳行責任者Mさんの短い挨拶の後、乾杯。

今年は暖かいので、みんなビールにおでんという感じで、燗酒はあまり人気がない。
コロの入ったおでんは、こってりと旨い。
剣先のスルメが焼き網で炙られ、アチチアチチと言いながら裂かれて酒のアテにされる。
しかしながら何人の男が集まっているのであろう。100人以上は軽くいるだろう。
だんじり大工の棟梁のKズが遅れて到着。
みんなが周りを囲む。
「今朝、3時半までHシらと飲んじゃあった。ここ7~8年みな年越しは家へかえっ
てないんちゃうか。昨日ももう帰るもう帰るちゅうて、気づいたら3時まわっちゃ
あった」
防寒系の服の面々の中、目立っているのはネクタイスーツ姿のS井。
見ると、だんじり小屋すぐ横にハザードを点滅させたタクシーが停車している。
「正月早々、仕事か。まあ一杯飲んでいけよ」
「アホなこと言わんといてえな」

世話人、若頭、拾伍人組、青年団の順で記念撮影の後、ささーと後かたづけして岸城神社へ参拝。
時刻を見るとちょうど昼前である。
揃って参拝者の列に並び、鳥居をくぐり、手水所で手と口を清める。
賽銭を入れて二礼二拍一礼。
本殿の右前にはテント張りの小さな受付があって「岸城神社御鎮座650年大祭記念事業」と書かれている。
見ると町会長のT谷さんとT中さんがネクタイを締め、受付をしておられる。
「おめでとうございます。ご苦労さんです」と全員で挨拶をすると「今日は、うちの
当番や」とのこと。
多分、宮本町、上町と我が五軒屋町の宮三町で日替わりで受付をしているのであろ
う。
銅板に名前と願い事を書く新年特別奉納と、650年記念事業の奉賛趣意書が配られていて、またその横で菰樽の振舞い酒が行われている。
「皆、一杯飲んでいってや」とうれしいお言葉に甘え、素焼きの皿に注がれた樽酒を
頂く。
その後、わいわいと岸和田城の堀端を歩いて、だんじり祭発祥の三の丸神社に参拝。

ふと若頭も今年で終わりかなと思いながら、いつのまにクルマで来たのだろう前梃子責任者のS三の軽のバンに8人乗って町に帰る。
「まるで免許取り立てのヤンキー集団みたいやなあ」と笑いながら約3分の帰路につ
く。
今年はどんな年になり、その中の祭はどんなものになるのだろうか。

コメント (1)

kaifu:

「だんじり若頭日記」を読んでから来ました
身内に○○地区青年団代表をしてから
岸和田だんじりを卒業した大工方がいます
寂しいようなすっきりしてるような・・・
気持ちが読めません。今はミニだんじりを
ケヤキを買って自分で設計して
彫刻からしています
祭りの世界に帰らせてあげたいけれど
裏を見すぎたようで・・・
上手に書けなくてすいません

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2006年01月07日 10:11に投稿されたエントリーのページです。

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