« 南町気質な人々 | メイン | だんじりis coming! »

どかんと朝刊

8月16日(火)

読売新聞の記者さんが7日の日曜日に岸和田まで取材に来られた際の記事が、ドカンと朝刊に載った。
ご担当は生活情報部のスター記者で知られるY口さんで、ちょうど会館の掃除が終わって一息ついた昼前だった。
「だんじり本」に実際に頻繁に登場する、去年の筆頭M雄はじめ大工方責任者のK上、前梃子係の面々ほかがあることないことわいわいと、まるで集団漫才みたいで、岸和田名物・大和の「かしみん」(洋食焼きの一種)も予約して買いに行き、ビールもガンガン進んだ。
Y口さんは岸和田だんじり野郎の熱と笑いにあてられ、かしみんの旨さに驚き、二枚ぺろりと食べて帰られた。

記事には、祭本番まで1カ月で、寄り合いが頻繁に増え、点検に余念がない、ということを書いていただいていたが、「だんじり本」を紹介しているところのメモ欄が笑えた。
「本業は、京阪神の街を紹介する雑誌『ミーツ・リージョナル』編集長。」というところである。
「本業は、」って、ほんまの仕事はだんじり祭が「主」であるように読めて、なんだか余興か道楽で雑誌の編集をやっているみたいに読めてしまう。
確かに、一昨年の祭は若頭筆頭をやっていたから、今ごろはすでに毎日のようにいろんな町や団体との寄り合いの繰り返しで、仕事どころではなかった。
といっても祭で生計を立て、メシを食っていくことは出来ない。
祭はあくまでも非日常である。けれどもその非日常の当日に向けて、日常の積み重ねが祭を左右する。
物事を決定したり変更したりする時の話し合いを十分に尽くすこと、一見何でもないと思われることでも、とにかく段取りを省略しないことが実は重要で、だからこそそれを愉快にやっていけるかどうかの知恵が岸和田だんじり野郎のコミュニケーション作法にある。
そういう意味で「だんじり本」でも何回も書いたけれど、だんじり関係者は「本質をズバリとおもろく言う」「おもろいことを人に巧く言う」語り口が最高な「おもろい人間」が多い。
岸和田だんじり祭においては、言語運用にたけているということは「話がおもろいかどうか」がまず最初にあるのだと思う。

言いかえると結局、祭本番に持っていく途中つまりプロセスが面白くないとだめで、そういう意味で「お金でお金を買うようなショートカットビジネス(これが金融の本質でしょ)@平川克美」とは逆の構造が根底にある。
むしろだんじり祭というものを知りつくしてくると、祭までの寄り合いや段取りの方がわいわいと和気藹々で、祭当日はきりっと気合いが入り常に何かに怒っているような感じになる。
でないと事故や揉め事の原因となるからというのもあるが、つねに「これではまだあかん。足らん。もっと、目一杯、きっちりと祭をやる」という理想の高さが心の奥底から湧いてくる。
自分とこの実力ならもっと上手に速く走り、きっちり遣り回しを決めれるはずだ、というそういうある種のプライドこそ岸和田だんじり祭の「誇り」と呼べるものだろう。

並松町の若頭から「高校生の子供がひろきくんの本、買おてきた。今、それ見てびっくりしている。いつの間にこんなん書いてたんよ」と電話がある。
「五軒屋の人、書いた本やでって、こっちが教えてもろた。息子は読書感想文書く、言うてるで」 とうれしいコメントだ。
高校生にはちょっと難しいかも知れないけど、どうか親子で読んであれこれ批評してほしい。

今週末から土・日はツツミ巻きやコマ替えといっただんじり本体の準備、献灯台設置、犬鳴山参拝、啓発大会…といろんな行事が詰まっていて、寄り合いも頻繁に行われる。
そして一発目の曳行である9月4日の試験曳きに突入する。
「盆が過ぎると、いうてる間に祭や」とはよく言ったものである。

コメント (4)

九左衛門:

はじめまして。本町の法被がMeetsの表紙になって以来のファンです。

若頭日記、購入させていただきました。岸和田の山手在住の人間にとって、やっぱり旧市はあこがれです。

過去、青年団、三十人組と数年間、旧市の祭に参加しましたが、山手とは比較し難い空気を味わいました。

大阪市内で働いているので、「わっしょらー」「おいよー」と岸和田弁(?)を使えない仕事中に、ブログを読むことで、「うんうん」とうなずいています。

後梃子のハナを持っていますんで、若頭日記を読んで「今年もやっちゃろかい!」と気合入りました。おおきにです。

山手の後梃子:

こういう場を借りて失礼します。
ひょっとして、九左衛門さんは、H瀧の方ですか?
ちごたらすいません。

はるちん:

今週、もう試験曳きとは早すぎます。
青年団の頃はあんなに1年長かったのになぁ。
後ろ最後の歳やから、頑張ります。
本が出ているのはテレビで知ってたのですが、まだ買ってません。(すんません)
ブログ楽しみにしてます!

九左衛門:

> 山手の後梃子さん

そうです。
九左衛門言うたら、ぼくしかいません・・・

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2005年08月17日 11:03に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「南町気質な人々」です。

次の投稿は「だんじりis coming!」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35