8月1日(月)
月に1回の血圧の薬ほかを取りに関電病院に行く。
ここ1週間ぐらい、酒と刺激とエアコンと岸和田だんじり生活を過剰に摂りすぎて
いて、夏風邪をひいている。
だいぶんましにはなっているが、今日もまだ少し熱があるのでついでに診てもらう。
S藤先生は同世代の循環器系の医師であるが、オレの仕事やだんじり人生のよき理解
者である。
「ほんまに、ちょっとは身体のこと考えんと知らんで。もうエエ年なんやから」と言っ
て、ちょっと診るからとアキれるように、それでもにっこりと「シャツまくって」と
聴診器を当てると、肺から変な音が聞こえる、バイ菌が入って肺炎おこしてるかもし
れん、と言ってオレをビビらせ、「今日は時間あるの?」と訊く。「大丈夫です」と
いうと、すぐにレントゲンを撮るように回してくれる。
「現像終わって、フィルム持ってきて。後からまた診るから」。
放射線科に案内され、30分ぐらい待って、「ハイ、息を止めて」で正面および横か
ら2カット。
そのまま放射線科の前で1時間ほど現像を待っていると、知らない番号でケータイが
入る。午前11時過ぎである。
「もしもし」と出ると、平成15年度年番長のだんじり界のドン・T谷さんである。
南町々会長で今年は祭礼町会連合会々長をされていることは、先日のブログでも書い
た。
「五軒屋の江くんか。うちのWクンから本、もろたけど、あんたええ本書いたな。こ
れはベストセラーやなあ。よう書いちゃある。歴史もよう調べてる。うんうん。みな
に読むように宣伝しとく」
オレは、直立不動で「えらい気い遣わしましてすいません。ある大学の先生のインター
ネットで、15年の若頭筆頭さしてもろてたときのことの日記で、ぼちぼち書いたも
んですわ。はい、すんません」と少年のように答えて恐縮した。
岸和田の諸先輩方の「大人」は、こういう際のある種の筋目に対しては直裁的で、お
互いピシッと会話がはまる時にはほんとうに「生きていて良かった」と実感する。
この世の中、とくにサラリーマン世界には「誰のためにも生きていない」ような鼻ク
ソみたいなエエ年をこいた大人が多すぎて、オレはこれまで何回もほとほと泣きそう
になってきたが、実人生つまり「遣り回し人生」(だんじり本を参照してくだされ)
というものを目一杯やってきた人は違う。
何が違うかは一言では言えないけれど「理」と「情」の両義性、そしてそれをまっす
ぐ伝えようという「真面目」である。
B2くらいの肺の写真を持って診察室に戻って、また1時間待つ。
「こうさん」「はあい」と第5診察室に入るとS藤先生は、「肺は大丈夫やけど、気
管支が曇ってる。ほんまに知らんで。抗生物質と気管拡張する薬、点滴するから。そ
れとタバコはすぐに止めること。薬、効かへんから」と厳しく言われる。
オレは禁煙には自信がある。
だいたいタバコみたいなものをよう止めんやつは、何をさしてもダメである。
オレは小学校6年生くらいからタバコというものを覚えて、もう100回以上は禁煙
している。
長い期間で1週間。1日2日の禁煙なんかは、屁みたいなものだ。
点滴室に行くと知り合いの看護婦さん(といっても3〜4回会っただけだが)が「江
さん、きょうは点滴ですか。あのブログ読みましたよ、今日は好きな○×さん、いて
ませんけど」と言ってオレを驚喜させ、「これ、抗生物質です。慎重に入れるように
と先生にいわれてます。1時間ほどかかります」と天使の微笑みを送ってくれる。
○×さんというのは多分、この長屋ブログの内田先生の名タイトルの「北新地メジャー
ドラフト情報 1月27日(木)」の時の人と思うのだけれど、今こうして書いてい
て、しまった名前をちゃんと聞いとけばよかった、と後悔している。
やっぱりべっぴんさんの看護婦さんが多い、と今日も感心するこの関電病院は北新地
から近いからこうなのか。
年金生活者か何かになって暇になったら、毎日通いたいものである。