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アンティパストは箸で

3月21日(祝)

今日も岸和田。
宮本町に4月1日オープンのイタリア料理店『チャムーラ』のレセプション会に招か
れているからだ。

ここのオーナーシェフは、五軒屋町出身の30代半ば。日本を代表する大阪の『ポン
テベッキオ』で働いていたが、だんじりの青年団長をやることになって、その年に「
祭に休まれへんから、仕事やめました」の例の口である。

天才料理人・山根大助氏による『ポンテベッキオ』は2002年、イタリアのベネト州で
開かれたイタリア最大のワインイベントの正式晩餐会において、イタリア国外のイタ
リアンレストランBEST5に選出されたほか、イタリアの権威あるレストランガイドブ
ック『ガンベロロッソ』誌において2回連続で日本のイタリアンレストランの1位に輝
いた実績を持つ。

彼がその『ポンテベッキオ』を辞めたのは、まことにもったいない話だが、それを彼
に話すと「その後、魚屋で5年ほど働きましたんで、かえって素材覚えられてよかっ
たです」とにっこり。

店はウッディな内装に白いペンキを塗った小さなリストランテだが、「CIAMURA」と
大書された2メートルほどの大きな木彫のディスプレイがポイントになっていて素晴
らしい。

「これ、ええなぁ」と言うと、「片山に彫ってもろたんですわ、上から色塗ったこと
不満みたいでしたけど」と言う。オレが彫ちゃったんやから、だんじりの彫り物のよ
うに余計な着色するな、とということらしい。
片山という男子は、だんじりの彫り物彫刻師だ。最近最も名作を出している「筒井一
門」の「木彫 岸田」の棟梁右腕である職人で、祭礼では五軒屋町の大工方現役ばりばりで屋根に乗っている。

同席者は本町のワイン商にして平成16年度若頭筆頭のH出夫妻、そしてイタリア製
エスプレッソマシーンの輸入商を20年やっている藤井町のT本くんが同席だ。4歳年
長のT本くんは前梃子責任者と若頭筆頭、そして来年には単町ではだんじりの最高責任者である曳行責任者をする。
それに加えてイタリアに6年住んでいた40過ぎの女性で、彼女は岸和田が初めてだ。

T本くんが一番最後で、自転車に乗ってやってきたのが店内から見える。
「幸せそうな顔してはる、ほんまに」と彼女は言う。
H出は「いっつもうれしそうやねん。あのおっさんは」と言って笑わせる。

「まいど」「おお、元気か」とかのあと、彼女が紹介されて、「にこにこ、楽しそうな方ですね」と言うと、仕事柄イタリア通のT本くんが「オレはアタマの中がナポリターノや。岸和田はそんなんばっかり」と笑いを取る。

ここはどんな街かを4人が話す。
イタリアで言うとどこそこの街とよく似ていて、店がどうで食べ物がどうで、男と女の話やケンカの仕方がどうで…ということで、彼女は「まるでイタリアみたいですね」という。

すかさず「それはイタリア人が真似してるんや」「堺に来たマルコポーロが見て帰っ
たんや、ここを」とかムチャクチャである。

ちなみにこの店は4月1日にオープンであるが、1週間以上も前から毎日、地元やゆ
かりのお客を招いて「どうぞよろしく」と大判振る舞いしているらしい。

先週はうちの兄(56歳)が町会のオッサン連中と一緒に招待されて「おお、この店
は焼酎置いてないんか」といったら、「麦ですか、芋ですか」と訊かれて、彼らはそ
れを飲みまくって帰ったらしい。

もちろん前菜のアンティパストは箸で食べてそうだ。というより、あらかじめ箸が用
意してあった。

コメント (1)

五軒屋娘:

チャムーラおいしいですよね。オープンしてから友達を誘っていきました。岸和田の旬のものがイタリアンになっててすごくおいしかったです。特に手作りだと言うパンが最高でした!!

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2005年03月25日 15:11に投稿されたエントリーのページです。

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