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『ビートキッズ』賛江

2月4日(金)

同級生の本町の昨年の若頭筆頭のH出から携帯が入って、昨年だんじりのシーンで協
力した青春ムービーの「ビートキッズ」の試写会に行かないかとの誘い。

ちょっと忙しくてそれどころではない状態で「おまえは本町の若頭やから、そらいか
なまずいわなあ」と言っていたが、「そんな水くさいこと言わんと、付いていってく
れ」とのことで、IMPホールに行くことにする。

6時20分の約束で入口前にいるとNHKのラジオディレクターのK林さんとばったり。
監督の塩屋俊さんが来ているので、ラジオ番組の出演依頼をするとのこと。
朝日と揉めていることや、オレが月1回だけ出させてもらっている番組で今度内田先
生が出られることなど、いろいろしゃべる。
やっとH出が15分遅れてやってきた。

ホールに入ると立ち見もいるほどの満員。この映画の主人公に抜擢されたバンドのラ
イブが始まっている。
監督の挨拶やキャストの紹介などがあっていよいよ放映。

どどどっといきなりだんじりのシーンだ。迫力がありたまらん。

この映画は講談社児童文学新人賞を取った風野潮さんの原作で、岸和田からの転校生
の主人公が、いつも心に刻み込まれているだんじり囃子をベースにドラマーとして成
長していくという話で、いたる所でだんじりのシーンが出てくる。

本町が町を上げて全面的にその撮影協力を行ったのだが、若頭筆頭のH出がそれを全
面的に仕切った。

主人公のお父さん役の豊川悦司は、大工方でだんじりの屋根に乗っているシーンはじ
め、おもろくてあほでちょいヘタレな岸和田のおっさん役で、ばりばりの岸和田弁も
いけてる。
とてもいい俳優である。オレは惚れ直した。

主人公の心象風景を描く際にしばしば「チキチンチキチン」とだんじりのビートが流
れる。
どう聞いても変なだんじり囃子に、H出は「小学生並みやのお」と苦笑するが、そん
なもんである。

いつも岸和田というと清原の「番長」とか少年愚連隊とかのイメージで、オレもH出
もそれを地元民としてはあんまり好まないのだが、この映画は多感な高校生の精神を
下支えしているのがだんじり囃子だという、すごくいい面でとらえてくれている。

「せやから、受けたんや」とH出はまんざらでもない。
本町の町会長の奥さんも来られていて、塩屋監督やプロデューサーさんから一緒にお
礼の挨拶を受ける。

塩屋監督はこの件で、うちの編集部にも来られたり本町の町会の寄り合いにも行かれ
たりしたが、いつも腰が低いというか感じがいい。
「この人なら」と本町のみなさんも納得したのだそうだ。
映画人とかテレビとかの映像関係の人に、オレはちょっと偏見を持っていたのだが、
今日から改めよう。

鰻谷の焼鳥屋に行って、焼鳥10数本とスープと焼きおにぎりと生ビール、焼酎…と
がんがん飲む。
それから北新地に繰り出す。

だんじりのポジティブな映画で、気分が良くて、その撮影の笑い話(こんな時はいつ
もそうだが、祭のシロウトぶりの話が多い)で盛り上がって、どうやって帰ったかも
覚えてないほど飲みまっくて、明くる日は今世紀最大の二日酔いである。

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2005年02月06日 21:25に投稿されたエントリーのページです。

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