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上方漫才師による青年の主張でんよかたい

12月11日(土)

雲ひとつない小春日和。 本日は晴天なり。 博多に着いたぞ。

オレは岸和田や大阪や神戸でしか生きていけないけど、次に好きな街が博多だ。
男はみんな鮎川誠で、快活で洒落てる。女は高橋真梨子系のべっぴんで、酒呑み深情
け(ごめんね…)。好きだったの それなのに あなたを傷つけた ごめんねの言葉
 涙で言えないけど 少しここにいて。

祭・山笠の街。フグが旨い街。よかよか、ですたい、やけん、〜っちゃんね、の、ち
かっぱぃすいとう街。
新幹線の筑紫口のエスカレーターを降りると、いきなりそんな博多顔および博多弁の
嵐で(アタリマエか)、胸がうきうきする。
ひかりレールスターで2時間ちょい、オレにとって隣の隣の街は、今日もいうことな
し。この街は東京の千倍好きな街である。

JR博多駅すぐ前のセントラーザ・ホテルの1階にあるスタバで、地元の編集者T中
さんと待ち合わせている。

レジにいた天地が短いチュンという感じの九州顔の女の子(ミーツで副編集長をして
いた北九州出身の塩飽にそっくりだ)に、アイスのカフェラテを注文しようとすると
「いらっしゃいませ、こんにちは」と「ませ」が極端に上がるイントネーションで言
い、さらに「〜でよろしかったですか」という、このところ全国共通のファーストフ
ード店やコンビニやブックオフのあの口調で、大阪もそうだが博多もそうなったか塩
飽靖子よおまえもか、とちょっとがっかりする。

「西の旅」(ミーツではない)という雑誌の打ち合わせである。
はるばる九州まで来て何が言いたかったというと、企画をどうとかターゲットをどう
見直して、情報をどうさばくかとかじゃなく、雑誌を編集するときは、もうちょっと
根性を入れてやるのでよろしく、それには差出人と宛先の脈絡づけをしっかりしまし
ょう、といったような内容であったが、T中さんはナマ大阪人に会い話をするのが初
めてということで、真剣に話すオレのことを「たいへん失礼ですけど、言うとんしゃ
ぁこと、なんだかおもしろくて笑っちゃいますね」とまるで上方漫才師が青年の主張
をするような感じのようにとらえられていた。
よかよか、それもよかですたい。

地下鉄に乗って赤坂へ着く。
知らない街で、一人で昼飯を食べることほどスリル満点のことはない。
ビルの地下街の飲食店街をちょっとのぞく。鮨屋がある。福岡の鮨はうまかったはず
、と思って、店先にあった品書きを見ると一番安いお昼のセットが1050円で、ち
ょっと高いけどまあええか、と思うが、仕事を終えてから帰りに食べよう、その時に
酒も、と思い直してやめた。

地下鉄の出口から地上を歩く。「更科」と書いてあるそば屋がある。大阪にも更科の
名前が着いたそば屋がたしか三系統あって、それぞれ特徴があってどの店もうまいし
安い。

福岡ではどうだろう、と早速入ることにする。
これはいい店だ、とすぐわかる。
一人客のサラリーマンのおじさんが数人と大きな紙袋を椅子に置いたメガネの初老の
ご婦人のグループがいる。
だいたいざるそばを食っているようだ。思い返してみると博多でそば屋にはいるのは
初めてだ。

分厚いメニューを開いて「かもせいろ」にする。
出来るのを待つ間、耳をダンボにしておばちゃんたちの博多弁会話を聞く。
しかしまあ、大阪でもどこでもおばちゃんというのはよく喋る人種である。

きたきた、かもせいろ九〇〇円。直径15センチくらいのお碗に入った熱いだし。鴨
肉がたくさん入っている。そばはざるに載せらていて冷たい。
小皿には薬味のネギとわさび、粉山椒は別に出てきた。わさびと粉山椒の組み合わせ
はどうなのだろう、それともお好みでどちらかなのだろうか。

まず鴨を一口。脂がのっていてこれは美味い。だしはざるそばのつゆのようで色が濃
く、それにそばをじゃぶっとくぐらせて食べる。冷たいそばを熱いだしにつけて食べ
るのは初めてだ。だけどうまいなあ。

そばを食べ終わって、タバコを1本吸って、さあ福岡地元編集者の雄・Y削B平さん
の事務所へ。

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2004年12月14日 11:52に投稿されたエントリーのページです。

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