12月7日(火)
「すまんけど、今日は岸和田の若頭の忘年会やねん。先に帰らしてもらうわ」と仕事
を早退して、平成15年度若頭責任者協議会の忘年会に参加する。
来年の祭には、若頭を上がり世話人になるメンバーもいるとのことで、若頭責任者の
祭がどんどん過去のものになってくる。
加えて、本当に長い間、祭というものをやってきたと実感する。それに比べると会社
や仕事なんてのは屁みたいなもんだ。
しかし、どうしてみんなこんなにいい顔をしているのだろう。気っ風がよい。声がデ
カイ、話もおもろい。
それに比べると、街では「そこのあなた、顔がないですよ」という人たちばかりだ。
キャラクターというのが不明な顔は冴えない顔であって、祭の最中でもとくに若い衆
のそういうヤツを見ているのは、なんだか怖い。
二次会を「明日、朝早いから」「神戸に帰るんか」「せやねん」とワープし、大阪へ
向かうがらがらの特急ラピートから、なんば駅で師走に入って間がない地下鉄の満員
電車に乗り換え、さらに超満員の新快速姫路行きの11時40分の最終に乗り、そん
なことを考えながら、ひょっとしてオレの祭人生も第4コーナーにさしかかってきた
んではないかと、しみじみ思う。
オレは離婚というものをしていて、 家に帰っても誰もいないし何もない。岸和田弁
で言うところの「独りもん」だからだ。
ガキの頃から勉強もあんまりしなくて、サーフィンとか好きなことだけやってお洒落
ばかり考えていて、夜になると音楽をデカイ音で聴いて、大人になってからは毎晩外
に出て酒を飲み、今日みたいに酔っぱらって帰って風呂も入らずに寝て、休みの日な
どはまた朝から酒を飲んでいるような男だ。
それらのもろもろは、自分本位の我がままなしょぼい快楽だけやったかもしれんけど
、一年一年祭と共に歩いてきた人生は、こんなにいい仲間がもてた。
そこでは、バッキー井上じゃないがそれなりにごきげんを与えてもらったんやし、他
人がもってるものと自分がもってないものを比較しても今さらしゃあないわ、と開き
なおっている。