3月30日(木)
昨日は、久しぶりにエルマガジン社に顔を出し(まだ有給消化中の身の上なのだ)、東京出張の精算をして、他にもあんなことこんなことあったんだけど、森本嬢と東京本の打ち合わせや、ミーツの村瀬嬢ミゾさんダイハクリョク青年と世にも下らないから面白い話などをしていると、気が付けば、平尾くんと愉快な仲間たちとの約束の時間になったので、また来るね、と不安そうな森本嬢を残してバタバタと社を後にする。
久しぶりのエルマガジン社は、少しよそよそしく感じた。自分ちの匂いというのは、あまりに同化して普段は感じとれないけれど、長い旅行から帰り玄関を開けると、あら自宅の匂いってこんなんだっけと新鮮にかつ懐かしく感じるものだ。そんな風にエルマガジン社の匂いに気が付いたということが、私とエルマガジン社の関係を語っているような気がする。もう身内じゃないのね。ひくひく。
これまた久しぶりにお会いした、平尾くん&彼の学友チクさん&ジュウさんは、久しぶりかつまだ会って4回目(うち一回は泥酔のため記憶にない。でもラグビー酒場「サードロウ」で会っているらしい)だというのに、鼻はひくひくしないし同じ匂いを感じ取る。ということが、私と彼らの関係を語っているような気がする。仲間なのね。ふむふむ。
そういう同じ匂いのする人たちと飲んだり笑ったりしていると、必ず「うわあ偶然やなあ」ということが起こる。昨夜もいくつかの偶然がにこやかに顔を出し、メンバーを増やし、話題は堀り下がり、いくつかの知り得なかったことを知り、感激し、切なくなりそして深酒をさせる。途中から合流したカジ嫁も抜群なトークを展開し、次回の会合場所が決定された。偶然は必然を呼ぶ。いや、たぶん必然の中に、偶然が含まれているんだろう。しかし、北新地[がるぼ]はえげつなく偶然を誘発する店だ。真っ当な店は、美味しくて値段が安いという前に、嬉しい偶然に満ちている。素敵だ。
そんな余韻に後押しされて(言い訳)、終電でたどり着いた三宮で金村さんに会いたくなり[サードロウ]へ。平尾くんに聞いた、ワールドの安田くんの引退話が発症させたやり切れない病の副作用で、意味不明に誰が悪いんやと金村さんの困ったちゃんとなり、カンコンカンコンとグラスでカウンターを連打して1時間で3杯ほどの焼酎ソーダ割りを胃に流し込んで帰宅。今年は同じ神戸で神鋼コベルコスティーラーズに加えワールドファイティングブルも応援するつもりだったのに、安田くんの引退でその意欲は減退。昨年、トップリーグの対神鋼戦の夜、悔しそうに言葉少なに飲んでいた安田くんの顔を思い出すと、どっかのおっさんがアホなんちゃうんかと、腹立たしい。
企業劇にはどこかの代理店が作った台本があるんじゃないかと思うのだが、その劇に欠かせないのがアホで利己的なおっさんだ。これはどの企業にも当てはまるわけではなく、ある一定のライン上を越えて肥沃した場合に限られて、そういうのも代理店仕事っぽい。そんでもってそんなアホのおっさんが活躍する喜劇は観ているぶんには面白いが、当事者には悲劇である。総じてアホのおっさんは「小さい」。心とかそういうものじゃなくて、象徴としての存在が「小さい」。その小ささに誰よりもビビっているのはおっさんだから、コツコツとえげつない武装を重ねてゆく。
つまりそんな一人北朝鮮なおっさんは、他人に耳をかさず他人の口を封じ自らを閉じてゆく。そしてどんどんとそのスモールワールドを増殖させて、会社を汚染する。哀しいのは汚染した土壌というものは比べる対象がないので汚染という事実に気が付かないことで、ときおり自分が汚染されつつあることに気が付いた人間は脱北するもんだから、残された汚染空間は一層と濃密な汚染源となる。汚染した世界で生きてゆくには自らも汚染するしかないわけで…汚染源に近い人間はまず一番に汚染することで逆説的に汚染した事実に気づかないふりをするのである。
…て、なんの話してたんだっけ。そうだ、安田くん引退の話だ。とにかく、お疲れさまでしたっ! て、このブログ見てないと思うけど、そう叫ばずにはいられないのであった。