2月28日(土)
急にぽかぽかと暖かくなってきた。
普段の稽古をするあいだから、汗をかく。ぽたぽた。通常の稽古に引き続き、後輩の方々に依頼され、共にまた稽古に励む。ぽかぽか。気づけば稽古尽くしの月末。
2月27日(金)
大学の音楽学部音楽学科舞踊専攻の第3回公演を見に行く。
一昨年、昨年に引き続いての拝観。ことしの舞台は新しくできたエミリー・ブラウン記念館である。
演題は5つ。島崎先生や村越先生、外国から招聘された先生らの振り付けで舞踊専攻の学生さんたちは踊っている。彼女たちのことを知り合いでなくとも、こう毎年見ていると、成長の姿が見て取れて、なかなかいいものだ。なかには、わたしの講義を受講していた学生さんもいるので、なるほどと、勝手に知り合い気分にひたってしまう。
2月26日(木)
昨日の合宿のため、仕方なく道場をお休みしたので、今日は臨時稽古日。
いつもと時間は同じでも、曜日が違うので、会員各位、それぞれのスケジュールもあるだろう。だから今日は、のびのびと少数精鋭の稽古をとなるかと思いきや、たくさんの方が来てくださった。よかったよかった。
稽古は基本的な動きもしなければならないのはもちろんだが、そればかりではおもしろくないので、ちょっと小難しいのをいろいろしているこのごろ。今日は、後ろ両手取りをしてみた。大混乱は免れた。まずまず。
稽古後は、珍しく遊びに来てくれたノハンナ、コーチ、稽古に来ているヒロスエさんと連れ立って大学の稽古に移動。いつもより開始時間が早いので急いでみる。
2月24日(火)~25日(水)
杖道会初合宿、行われる。場所は白浜。一泊二日。
ここのところ和歌山とのご縁がある。
昨年は、国際合気道大会で和歌山県田辺市に滞在して、たくさんの講習会に出たし、その際、熊野本宮大社では演武会を拝見した。
白浜は、レンタカーを乗りなれる目的で立ち寄った海岸で、いくらかの時間を過ごした場所である。
その前の夏や一昨年の夏には、合気道の開祖のお墓参りのため、田辺市に出向いていることも記憶に新しい。
和歌山は、水も空気もたいへんにいいところなので、ごはんがおいしいし、みかんがおいしいし、梅干がおいしいし、何より土地の場所がいいので、身体にも結構なことばかり起こる場所なのである。
今回はバスで移動。
白浜に来るまでの道路は、わたしにとってすでに見知った感覚や覚えのある風景ばかりになっていた。かなり懐かしく、うれしかった。来るなり、見るなり、ああ、きっとまた来るのだなと思わせる風景ばかりがある。
合宿には10名が参加。
わたしはよく知らないのだが、きっと大学で始まった合気道の合宿も、最初は、これくらいの人数でこじんまりやっていたんだろうなあと想像する。誰がいて、誰がいなくて、電話なんかなくても、歩けばすぐに連絡ができて、誰かが急に倒れて、誰が足りなくて…というふうに、手の届く範囲で話ができたんだろうなあと思うわけだ。
さて、そんな合宿には、杖と木刀と居合刀とたくさんの荷物を持って出かけた。
合宿「恒例の?」生憎のお天気で、空は曇ったり雨が降ったりうだったが、毎日祈っていたおかげか、ここぞというときには、晴れてくれた。
初日は、体操をし、呼吸をし、杖を身体によく慣らせてから、杖の基本の動き、木刀の基本の動き、それらを身体によくなじませる。そのあと、全剣連の形をしっかり行い、仕杖・打太刀、共に、形を揃えて間合いと感覚をきれいにとっていく。それだけで、あっという間に四時間の稽古時間が終わってしまう。半日なんて、ほんとうにあっという間だ。
朝練がないのをいいことにぐっすりと眠る。こんなに睡眠時間の長い(七時間弱)合宿は、初めてのことだ。朝練がない合宿というのは、これほどまでに楽なものかと初めて体験し、とても驚く。
二日目は、三時間ほど稽古。体操などをしてから、昨日のおさらいと居合。
久しぶりの刀は、なかなかうまくいきませぬ。でも、楽しかったから、それでいいのだ。
帰りのバスの時間まで、いくらか時間があったので、主将の若さまたちと、ちょっと先にある南方熊楠記念館に行く。じつは和歌山、紀伊田辺の誇る三傑は、合気道開祖植芝盛平、南方熊楠、武蔵坊弁慶なのである。そのひとりである熊楠記念館が合宿所の近くにあるので、見ない手はない。てくてくと潮風に揺られながら、1キロほどの道のりを歩いて向かう。
記念館は、なかなかおもしろかった。
南方熊楠というひとの百科事典的な生き様と天才的な頭の使い方を垣間見た。
心身ともに開放的で活発な合宿であった。白浜もいいところだ。
2月23日(月)
相変わらずの曇り空。
曇り空の隙間を縫って、三宮に出て、母と会う。母と会うといつも、ひたすらしゃべる、しゃべる、食べる。会うとしゃべるというのが、われわれの規則のようにも見える。もちろん一緒にご飯を食べている時間もあるのだが、そのときでさえも、ひたすらいずれかがしゃべっている。話の内容は他愛もないことだ。世間話から近況まで。むしゃむしゃ。しゃべる。むしゃむしゃ。しゃべる。歩きながら、食べながら、何かを見ながら。
ときに買いものをしているときでさえも、見ているものとは、まったく関係のない話をしている。いわゆる「見てるだけ」の時間もしゃべっている。それらは、決して大声で話しているわけではない。誰かをさえぎるようなことも、おそらく迷惑にもならないくらいの大きさだ。
2月22日(日)
片付けと掃除の続き。雨が降るからだろうか。猫たちの姿が見えない。曇り空が本格的になる前に布団も干して、シーツを変える。コタツのカバーも変える。掃除機もかける。あちこちと気になる場所を掃除する。
先日からの掃除と片づけがまだ終わらない。終わるどころか、収納スペースをよりよく確保するがためのボックスが必要になってきた。本棚でもいいが。そろそろ買ってもいいのではないかと思い、寸法を測ってみる。
2月21日(土)
今日は珍しく(本当に珍しい)、合気道の稽古を休んで、下川先生が立たれる謡の舞台を観に行く。場所は長田にある上田観世会能楽堂。何度も出かけたことのある場所だ。能楽堂の入り口にあるドアを開けるなり、冷気が漂う。う~寒い。
「二階のほうが暖かいですよ」と受付の方が親切に教えてくださったので、その声に従って二階への階段を登る。二階があるとはこれまで知らなかった。登ってみると、そこは見晴らしがよいし、桟敷席になっているし、椅子席もあるし、暖かいし、なんといっても、ひとも少なくっていい。まるで特等席を得た気分。椅子席で拝見する。下川先生の役どころは『花筺』のシテである。
2月20日(金)
もくもくと先日から火のついたような片付けと掃除を続ける。
2月19日(木)
大学にある道場の畳がとても固い。ツルツルすべるし、痛い。
2月18日(水)
だんだんと暖かくなってきている。優雅な猫たちをときおり観察しているのだが、その数は増えたり減ったりしている。小さかったはずのが、あっという間に大きくなっている。どちらかというと、小さいときのほうがかわいいなあと思う。それでも気が向けば見つめてくるので、なかなかかわいくって目が離せない。
2月17日(火)
夜、猫たちがぎゃーぎゃーけんかしている声がする。けんかもするよね。
2月16日(月)
夕方、慌てて朝カルに向かう。余裕を持って出たはずが、なぜか遅れそうになる。
鷲田先生と内田先生の対談を拝聴。身体にびんびん響くことば多数。身体にガツーンと来ることばや様子、多数。さ、勉強しよう。
2月15日(日)
朝起きると必ず窓を開ける。日の光をいっぱいに浴びる。わたしが住んでいるところと隣家の間に小さな庭のような場所がある。そこにはいつも猫たちがごろごろしている。日がないちにち、優雅な猫生を楽しんでいるように見える。ときおり夕方に郵便受に届いた郵便を取り出していると、ごろごろしている猫のうち、何匹かがうろうろしながらこちらを見つめているのがわかる。じっと静かに見つめている。近づきたいような、近づいていいのか悪いのか、判断に困っているような、そんなふうだ。その様子があまりにかわいらしいので、そっと手を振る。なかなか触らせてはもらえないが。