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二月は短いです

2月22日(水)

 思いがけず2が三つ並んでいる。いやに秩序だった日である。

幼い頃から変わらず好きなもののひとつは、ものができていく過程を見ることである。これまで変わらず好きなのは、家を建てている過程を見ることだ。歩道の補修とかマンホールを埋めるとか道路建設といったものも決して嫌いな類ではないが、やっぱり家やマンションの建設過程には敵わない。とにかく、できていくのを見るのが好きなのである。場合によっては、家の修理でも同じくらいにいいものだ。

毎日同じ道と歩いていると、ときどき、これから建物ができるであろう場所に出くわす。建物は何なのかわからない。家なのか、小屋なのか、納屋なのか、別荘なのか。どんなものなので、どんな色で、どんなかたちで、どんな素材で、どんなデザインなのかも、すぐにはわからない。わかるのは、まっさらな土地に、いままさに何かが建てられようとしている現実だけだ。

見出された土地ではいつしか土台をつくり、枠となる木が使われ、基礎工事が始まる。兼ねてからの想像がすこし現実味を帯びたものになってくる。かつて、まっさらに見えていた土地は、これから物が建つための大地に成り代わる。木やコンクリートや鉄柱、あるいは何かの新素材が次々に運び込まれ、所定のところに埋められ、積み上げられていく。少しずつではあるが、それぞれが収まるべきところへと配置される。あたかも最初からそこにあったかのように。家の、あるいは建物の一部となる。壁ができ、足場が組まれ、屋根ができる頃、じっと見ていたそれが何であるのか、輪郭が見えてくる。

こんなことは、なんでもないことといえばなんでもないことである。当たり前といえば当たり前のことである。なぜなら、それを造るために日を掛けて作業しているのだから。その過程を、たまたま見ているだけのことなのだから。基本的な原理に共感しているわけではない。毎日歩いていると見えるものが日に日に変化し、いつしか完成していく過程を見るのが好きだということを言いたいのである。

ただ、なぜ好きなのか。理由の程はわからない。レッカー車やトラックやコンクリートの匂いや色が好きなわけではない。幼い頃から、そういう場所に出入りしていたわけでもない。
でも、わからなくてもいいじゃないか。なぜだか強気に、そう言える。これが逆に、もし嫌いなものなら、理由はいくらでも説明できる自信がある。嫌いなものについては、理由はほんとうにいくらも見つかるからだ。いつもそうだ。口に出すのもおぞましいことから、恐るべき悪事に至るまで。

それでも、誰かと何かの情感を共有したいとき、わたしが好きな事柄について、理由を考えてみることも必要だろうか。好きなことに理由はないという理由ならある。しかし言葉にした瞬間、思っていたことが何か薄っぺらなものになり変わってしまうのならば、理由は説明できなくてもいいような気がする。言葉と思いは裏腹に、それでもかたちあるものは、残っていくのなら。

2月の空にはすこしだけ、穏やかな風が吹く。風は雲間を見せてしとしとと雨が降る。


2月21日(火)

 そろそろ火曜日。きょうは、わりと捗った。


2月20日(月)

 冷たい雨に吹かれて、街をさまようこともなく。茨木のり子さんの死がなぜか悲しい。好きだったのにな。


2月19日(日)

受験勉強を思い出す日。


2月18日(土)

そろそろ魚座の出番ですね。


2月17日(金)

恒例「ゴルゴンゾーラの会」開催される。十数年前は想像もつかなかったし、何も知らなかったチーズよ。


2月16日(木)

 ♪わっかれば~なしは さいごに~


2月15日(水)

 今日は、宙組のトップスターの誕生日らしい。


2月14日(火)

 今日が誕生日の人は、これまで会ったことのある人で7人はいる。


2月13日(月)

 13日の月曜日。何と言うこともなく済んでいくこともあれば、心が荒れ狂うこともある。霞に紛れて失せにけり。


2月12日(日)

 受験勉強の頃をなぜか思い出すこの頃。


2月11日(土)
 
祝日が土曜日に重なると、なんだか少し損した気分になる。
「土曜日も祝日に当たれば振替休日になる」ような法案なら、すぐさま賛成するのに。


2月10日(金)
 
誕生日のプレゼントに、水木しげるの『「妖怪傑作選」①コロボックル枕』をいただいた。おもしろくて、電車の中でも読みふけってしまった。


2月9日(木)

 にくの日である。


2月8日(水)

 見上げた空は青く、何もかも新しい。
空はほんとうに青く、ほんとうにきれいで、ほんとうにすがすがしいのだ。
新しい空を見ると、新しい朝が来たのだと感じる。
格別の空気が舞い込むとき、なおさらそう感じる。

雪が舞い、雪のあとは雨になる。
その雨も夕方には止むと、また晴れ間が広がる。そしてまた、晴れを印象付ける空が見える。ああ、まるで人生のようじゃないか。
こうして、また新しい年が始まるのだ。お誕生日おめでとう。


2月7日(火)

 肩凝りには注意しよう。


2月6日(月)

 今どこにいて、何をしているのか。
 何を食べて、何を話しているのか。
 誰を訪ねて、何を考えているのか。
 そんな簡単なことが、やっと普通にできるようになった。


2月5日(日)

 勘が戻ってきたようだ。


2月4日(土)

 立春だったのか、外は冷たい。冷たい夜空が広がる。「夜空のムコウ」が似合うほどに、私たちは長く生きてないのだ。

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2006年2月23日 13:17に投稿されたエントリーのページです。

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