スーさんのようやく夏休み

8月3日(日)

濃い1週間が終わった。
週の前半は県大会。
火曜日が団体戦、水曜日が個人戦の2回戦まで、木曜日が3回戦から決勝まで。
結果は、団体戦が2回戦敗退、個人戦は大将ペアが準優勝であった。
残念ながら、団体戦での東海大会出場はならなかったが、個人戦で何とか東海大会に出場できることになった。

団体戦は、優勝できるチャンスも十分あったと思う。そうならなかったのは、もちろん相手のオーダーを読み切り、それに対応するオーダー(相手の大将ペアとの対戦を避け、こちらの大将ペアでまずは1勝して3番勝負に持ち込む)を組むべきだったのに、「ウチとやるんだから、たぶん相手がオーダーを換えてくるよ」と、そのまま大将戦になる組み合わせのまま試合に臨ませてしまった、監督の責任である。

もちろん、そのままのオーダーでも勝てるチャンスはあった。トップの後衛は球が走っていた。相手後衛との打ち合いとなった。誤算は、2年生の前衛選手だった。要所でミスが出て、波に乗れない。しかし、相手も前衛選手がポイントできないまま、勝敗の行方はタイブレークに。そのタイブレークも、ポイント5−5まで競ったのだが、そこから連続失点して力尽きた。この試合が全てだった。

相手の大将ペアは、後衛がU-14選考会で全国のベスト8に選ばれた優秀選手である。もちろん、6月の県選手権でも昨年に引き続いての2連覇を果たしている。どう考えても、このペアとウチの大将ペアとが対戦することだけは避けなければならなかった。
もちろん、相手がどういうオーダーで来るのかはわからない。しかし、それは第1試合の相手のオーダーが参考になったはずだ。それなのに、こちらの都合のいいように解釈してオーダーを組んでしまった。
結果、大将戦はシーソーゲームとなった第1ゲームを取った相手がそのまま3ゲームを連取。そこから本校の大将ペアも粘って2ゲームを取り返したが、抵抗もそこまでであった。3番に回れば、たぶん本校が勝っていたと思われただけに、選手たちには申し訳ない敗戦であった。

続く個人戦では、市内大会で2位だったペアが初戦で敗退してしまった。大将ペアとほぼ同時の試合となったため、とりあえず大将ペアの試合にベンチ入りしていたのだが、こちらの試合が終わって駆けつけると、既に3ゲームを取られていた。サイドチェンジで具体的な指示を出して送り出すと、そこから2ゲームを取り返したのだが、そこまでであった。実力のあるペアだっただけに、何ともあっけない幕切れであった。

個人戦2日目。大将ペアは危なげない試合ぶりで快勝、そのまま4回戦も勝ってベスト8入りし、東海大会出場を決めた。
もう1組も4回戦まで進出した。東海決めの相手は第2シードであった。この試合も、2年生の前衛選手のミスが目立った。普段の練習なら何ということもなく取れているボールにも手を出さない。結果、ゲームカウント2−2から第5ゲームを競り合って落とし、そのまま敗戦となってしまった。
試合後、さぞかしミスの多かった前衛選手に業を煮やしているのだろうと思いきや、その後衛選手から前衛選手に握手を求めていた。いい子たちだなあと思った。
勝たせてやりたかった。

そんな仲間たちの気持ちも伝わったのであろうか、大将ペアは気迫を前面に出しての試合ぶりで、準決勝もタイブレーク5−5を競り勝ち、ついに決勝戦まで勝ち上がった。
相手は、団体戦でも対戦したG中の大将ペア。
団体戦での敗戦もあり、相手後衛封じのために、こちらの前衛選手には具体的な動きを細かく指示して臨ませた。
第1ゲーム、もしもこちらの前衛選手が気になるのなら、相手後衛はサイドパッシングを打ってくると思っていた。案の定、打ってきた。勝てる!と確信した。
2ゲームを取られたが、そこから相手後衛がおかしくなってきた。明らかにこちらの前衛選手を意識してのミスが目立つようになってきた。
1ゲームを取り返しての第4ゲーム、相手後衛が連続して失点、このまま行ける!と思ったが、勝負はやはりそんなには甘くなかった。いつもはつまらないミスを繰り返している相手前衛選手が、こちらの意図を察知したか、自分の後衛の前に打ってくるボールを取り出したのだ。これが流れを相手に引き戻した。
続くゲームも相手前衛は思うように動いて得点、そのままゲームセットとなった。
でも、準優勝だ。選手たちは、ほんとうによくがんばったと思う。
大将ペアだけでも東海大会に進めて、ほんとうによかった。
負けてしまった他の選手たちのためにも、来る東海大会では、何とか全国大会への切符を手に入れられるようもうひと頑張りさせたい。

その日は浜松へと戻ったのだが、翌日は再び草薙テニスコートへ。県のU-14選考会に参加するためである。例年ならば、自分とこの選手がノミネートされていなければ行くことはない。しかし、今年は事情が違っている。
今季より、毎年春に三重県伊勢市にて行われている都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会に参加する静岡県代表男子チームの監督を引き受けることになったためである。
そこに至るまでの事情には紆余曲折がある。例えば、静岡県の代表チームが、ここ数年初戦で敗退していることも、監督交代の大きな要因であったとも聞く。
もちろん、私の事情もある。大会が行われる春休みは、教務主任が最も多忙な時期である。そんな時期に、おめおめと「お伊勢参り」など行ってはいられない。
お声掛かりがあったときには、もちろん即答で固辞した。
その後、そのことをあれこれと考えるうちに、ふと内田先生のお言葉を思い出した。
“仕事は自分で選ぶものではなくて、あちらから「来てね」と言われてしか始めることができないものだと思います。
そして、「来てね」というのは「あなたでなくちゃダメ」ということだと思います。
(…)「私以外の人間では代替できないような種類の任務」は定義上、私以外の人間によっては代替できないわけですから、そのような任務に対する需要が発生した瞬間に、あやまたず私を「指名」するはずです。”
すぐに校長先生に相談した。「キミが自分でやれそうだと思うのなら引き受けてもいいんじゃないですか」とのお返事をいただいた。
県中体連ソフトテニス部長へ電話を入れた。「お受けします」。
とてつもなく忙しくなるだろうけれど、「余人を以ては代え難い任務」であると受け止め、精一杯務めたいと思う。

明けて土日。
土曜日は、オーツボくんと二人で神戸女学院大へ。「600名限定」に当選した神戸女学院大学新制大学認可60周年記念シンポジウム「虫と人間」に参加するためである。
基調講演は、養老孟司先生。
続いて、内田先生、甲野先生、島崎先生、遠藤先生らが加わってのパネルディスカッション。
養老先生の「秩序と無秩序」のお話もおもしろかったが、パネルディスカッションでの島崎先生の発言(パフォーマンス?)は、最高だった。一度、じっくりお話を伺いたいと切実に思った。

終了後は、かんチきくん、「ゑびす屋」さんに、甲南合気会の面々を加え、大迫力くんが紹介してくれた東梅田の日本酒が美味しく飲めるお店にて小宴。
ちょっとここでは書けないようなディープなお話に、冷酒がどんどんと追加されていった。
そろそろ宴も終わろうかという頃になって、「今日は麻雀はやらないみたいです」とメールを入れたはずの画伯がお見えになった。
もちろん、そのまま近くの雀荘へ。「ペースメーカーを入れているんで、手積みでしたいんですけど」とお願いすると、何とVIPルームを用意してくれた。そのまま貸切状態で半荘を2回ほど。
結果は詳しくは書かないが、支部が勝たせていただいた。画伯のリターンマッチ要請がコワい。
そのまま江坂に取ったホテルへと戻って熟睡。

そして今日。昼前までに浜松へと戻り、例年お盆に浜松にて開催しているソフトテニス新人研修大会の準備会へ。
今回は参加できなかったオノちゃんやヨッシーらに、会の様子や麻雀のことどもを話して聞かせる。

ようやく夏休みらしくなってきた。