スーさん、教員採用汚職について考える

7月22日(火)


梅雨明けし、朝からクマゼミの声が喧しい。気温はうなぎのぼりで、湿度も高く、不快感はこの上ない。

これで夏休みに入っていれば、この不快感もまあ許せるのだが、1学期の終業式は今週金曜日。夏休み前の最後の一踏ん張りというところだ。


この3連休、初日の土曜日は、3年生のソフトテニス研修大会。レギュラーとして大会に出場できなかった3年生たちのための個人戦である。

この大会、運営がたいへんだからと、一時は大会を取りやめるような話も出たらしいが、選手たちの真剣な取り組みぶりに、何とか存続させる方向で話がまとまったという経緯がある。確かに運営はたいへんだが、これからも存続させていくべき大会だと思う。

この2年間は、何と本校選手が2連覇していた。さて、今年は?

本校から参加した3年生は6ペア。そのうち、4ペアが初戦で敗退。1ペアが初戦を突破し、続く第2試合も2-0とリードしつつも、タイブレークに追いつかれて敗退。残る1ペアが16本入りして敗退、という結果であった。

さすがに3連覇できなかったペアは気落ちしていたが、その他の3年生たちはみないい顔をしていた。これがこの研修大会のいいところだ。


ただし、今年はちょっとだけ雰囲気が違う場面もあった。某中学校の選手で、自分がミスする度にラケットでコートや自分の足を叩いたりしている選手がいた。これは見過ごしにできない。

すぐに大会役員であるシンムラくんに、「ちょっと見に来てよ」と電話を入れつつ、役員用トランシーバを借りて、その選手の中学校の顧問にも連絡を入れた。

程なく、シンムラくんとその顧問がコートに来た。さすがにその選手も、顧問の前ではそんな態度も取らなかったのだが、どうしてそんな選手を出場させたかということに問題が残る。

この大会の趣旨として、「競技へ取り組む姿勢やマナーの点において、下級生の模範となる姿を示す」ということが謳われている。

とてもじゃないが、その選手の行為は「下級生の模範となる姿」ではなかった。

この大会は、事前にそれぞれの学校がどのくらいの人数をエントリーするか報告するようになっている。しかし、その学校のエントリー数はゼロであった。ところが、実際に蓋を開けてみると、5組もエントリーしていた。直前まで、エントリーするかどうか迷っていたということなのだろうか。

事情はいろいろあるだろうが、それらのことを勘案しつつエントリーを決めたのであれば、それなりの指導をして大会に臨ませるべきである。それが顧問のすべきことではないか。

そんな事前指導がきちんと行われるということを前提に、この大会は成立している。ことを簡単に考えてもらっては困るのだ。


怒りが増してきたところで、さらに頭に来たことを報告させていただく。

試合で勝ってほしいからと、保護者の応援に熱が入るのはわかる。しかし、ほとんどの保護者はそういうことも弁え、応援席の遠くの方から、いいプレーには拍手をもって応じてくれている。それでも、中にはそんな弁えのない保護者もいる。

そういう保護者は、応援席の最前列に陣取る。そうして、一つのプレーのたびに、審判のジャッジに対するアピールとも受け取れる発声をする。こうなると、これは単なる声援とは言えなくなる。

当然、警告の対象となるから、大会役員が顧問を通して注意を促すことになる。今回、その注意を促したのがシンムラくんだった。

だが、あろうことか試合終了後に、その保護者たちがシンムラくんのところに文句を言いに来たというのだ。「なーにがいけないんですかあ」と。

今は、「モンスター親」が話題になるご時世だ。ソフトテニスの試合会場でも、同様の親がいてもおかしくはなかろう。しかし、そのような場合は、顧問が間に入ってかような行為をやめさせなければなるまい。それができないなら、顧問など辞するべきである。


この話にはおまけが付いている。

親の文句の後に、「顧問でもなく、保護者でもなく、外部コーチでもない男」が、シンムラくんのところに食ってかかってきたというのだ。

あってよい話ではない。暴力団が言いがかりをつけてくるのと何ら変わりはない。

こんなことを許していたら、とてもじゃないが大会など運営はできない。大会の存立に関わる重大問題である。

こういう人物は、もちろん、大会会場に足を踏み入れさせるべきではない。

すぐに、競技委員長に連絡し、この人物の特定と、ことについての裁定、今後の善処をお願いした。たぶん、中体連本部にまで話が持ち込まれて協議されるはずだ。

まったく、困った人がいるものである。もちろん、勝利至上主義の「ダークサイド」に染まっている一人であろう。


そんなことも話題にしながら、晡時からはいつもの「まこと」にて小宴、そうしていつもの「はつとん」で定例会。

今回は、市内大会も一段落したということもあってか参加者も多く、2卓で囲むことになった。

手前は、何と「大三元」を自摸った。

と思ったら、それから暫くして、オノちゃんも大三元を自摸った。こんなことってあるのだろうか。「役満は伝染する」ってか。

県大会は、勝てないかもしれない。


明けて、日曜日は午後から主力選手を連れて沼津へ。K学園高がインターハイへ行く前に、ぜひスガイ先生から指導を受け、県大会ではそれなりの試合ができるようにしようという目論見である。

K学園高は、この日は国体の県予選に参加していた。「早めに終わると思います」とのことで、K学園高のテニスコートで練習していた。ところが、どうやら試合が長引いて、帰りは6時半頃になりそうとのことであった。ま、仕方がない。

ようやくスガイくんも帰ってきて、入浴後は男子顧問のハラ先生も交えて小宴。昼間の暑さもあり、生ビールが水のように飲める。

ソフトテニスの「ダークサイド」のことなどを肴にしながら、沼津の美味しい鯵のたたきなどをいただく。

そのまま帰って寝ようとしたのだが、「ちょっとだけやりましょう」という話で、いつもの「ニュー竹」にて半荘を1回。打牌しながらうつらうつらしてしまう。そのまま宿舎に戻って爆睡。


翌日は、今度の東海大会の会場として使用されることになっている愛鷹テニスコートが取れたとのことで、そちらに移動して練習とゲーム。スガイ先生からは、前衛のボレーについて基本的なことをコーチしていただいた。たぶんこれで、本校前衛陣はかなりミスが減ると思う。よかったよかった。

スガイ先生とK学園高の選手のみなさんには、国体、インターハイとお忙しいところ、お相手していただいた。来る県大会では、何とかその成果を発揮させてご恩に報いたい。


さて、巷間では、メディアが連日のように大分県の教員採用に関わる汚職事件のことを報じている。捜査は、ついに校長・教頭の管理職昇進に伴う贈収賄にも及んでいるとのことだ。

全国には、さぞかし肝を冷やしておられる方もあろう。もちろん、今回のように贈収賄事件に発展するケースは稀であろう(と信じたい)が。

採用や登用には情実が絡んでいることは広く知られたことである。例えば、管理職昇進人事が「できレース」であることなど、教員の間では周知のことだ。

本市でも、一昔前までは、毎年正月ともなれば、「○○詣で」と称して教育行政職幹部の自宅を訪問していたと聞いたことがある。

教員の中には、「○○会」と称してやたらに飲み会を催し、宴席に教育行政の幹部連中を招いたりして自らの顔を売るようなことをしていたグループもあるそうだ。

「キミ、何より大切なのは人脈だよ、人脈!」と言われたこともある。

それはそれでいいのだけれど、そんなに権力志向の教員って多いのだろうか?

今回の贈収賄事件を起こした元参事も、「ポストが欲しかった」と言っているそうだ。

権力志向は人を腐らせる。

だけど、よく考えてほしい。いつまでもその権力に縋り付いてはいられないということを。

自分の周りに多くの人が寄ってくるとしても、それが人徳に依るものではなく、権力に群がってくるということもあるということを。

その権力の座から降りた時、一緒に酒を飲んだり麻雀をしたりする仲間が何人いるだろう。

「権力者の末路や哀れ」とは、古くから言い古されてきた言葉ではないか。


本市でもかつては、教育行政職のトップが学校を訪問した際、出迎えた先生たちが「おはようございます」と挨拶をしても、一言も挨拶を返すことなく校長室へと入っていくことがあったらしい。情けない話だ。

権力者は、その権力をあからさまに誇示すればするほど、より滑稽さが増すということをご存じないらしい。そんなことは、『チャップリンの独裁者』を見ればよくわかることなのに。


私たちは、未来を担う子どもに関わりたくてこの職を選んだ。きっと、全国の多くの教員がそうである。

迷いが生じた時は、原点に立ち返ることが肝要だ。

権力志向に取り付かれてはならない。これも、「ダークサイド」だからだ。

それにしても、「ダークサイド」って、いろんなところに瀰漫している。困ったものだ。