テニスで明け暮れ夏休み

8月6日(日)

2日から4日までは、インターハイに出場する教え子たちの応援のために大阪へ。

せっかく大阪まで行くのだからと、内田先生のところに連絡をしてみると、「3日はあいてますからぜひどうぞ」とおっしゃっていただいたので、3日間の休暇をいただき「インターハイ応援&本部連盟にて麻雀」ツアーとは相成ったのである。

さて、インターハイの方は2,3日が個人戦、4日が団体戦という日程であった。2日、教え子であるK学園高のK原崎・K谷ペアの試合時間(スガイ監督からは「10時ころだと思います」と言われていた)に合わせて浜松を出発することにした。今回の使用車は、ヨッシーの「ええい道あけろい!」スカイラインである。車内は狭苦しいが、高速道をクルージングするにはもってこいの車である。すいすいと東名、伊勢湾岸道をとばして、亀山のパーキングで小休止。

ここでちょっとしたハプニングがあった。件のパーキングで車を止めようとした際、ヨッシーが「あれ財布じゃない?」と言うのである。右前方に財布らしき物体が落ちている。とりあえず車を停め、車外に降りたヨッシーが拾ってみると、はたして財布である。「おいおい、ホントに財布だよ。現金入ってんの?」と確かめてみると、○万円近くの現金が入っている。「どうする?」とヨッシーと顔を見合わせる。
「とりあえず、売店の人とかに預けちゃいましょうか」
「うーん」
「持ち主に連絡してあるからって言ってから預けた方がいいすね。何か身元とかわかるようなもの入ってないすか?」
どれどれと財布の中に入っていたカード類等を見てみると、中から身分証明書が出てきた。高校生だ。愛知県立○○高校の学生証が出てきたのである。すぐにヨッシーが104に電話して、その高校の電話番号を確認する。番号をプッシュしたところで「ハイ」と受話器をこっちに回す。ったく、いつもこういう役回りなのだ。
「あのー、そちらの在学生の身分証が入った財布を拾ったんすけど。場所は、東名阪道の亀山パーキングす」
在学の確認をしてもらったところ、「確かに本校の生徒です」とのこと。
「じゃあ、亀山の料金所出たところの事務所に財布預けときますから、そちらに取りに行ってもらうよう連絡してやってください」と言って、手前のケータイ番号を教え、電話を切った。
料金所事務所に財布を預けてからしばらくしてケータイに連絡があった。「○○高校のテニス部顧問の○○です。お財布拾っていただいたそうでありがとうございます。また、本人からも連絡させますので」
はあ?テニス部顧問?
「きっと落とし主はテニス部員で、その高校の主力選手を連れて先生が車で大阪まで見学に連れていく途中だったんじゃないすか?」とヨッシー。
「それなら、もっと早く連絡くれればインハイの会場まで持っていってあげたのにな。でもま、いっか」
「きっといいことしたんで、試合も勝ちますよ」とヨッシー。

これでだいぶ時間をロスした。とても試合予定時間である10時までには到着できそうにない。インターハイの試合は、たとえ個人戦の1回戦とは言え、対戦相手はその県の代表選手たちである。そう簡単に勝てるものではない。会場に着いたらもう試合が終わって負けていたということも十分にあり得る。逸る気持ちで大阪へと急ぐ。

会場まであと10キロを切ったところで、渋滞にハマってしまった。もう10時は過ぎている。
「まあ、途中でハプニングがあったんで、試合見れなかったとしても許してもらえるよな」
「でも、ひょっとして進行が遅れてるかもしれないじゃないですか」
などと話しながら、30分遅れで会場に到着。でも、試合会場には観戦者用の駐車場はない。会場からやや離れたところにある駐車場に車をおいて、シャトルバスで会場入りしなくてはならないのである。

試合をするコート番号は聞いていたので、既に10時45分くらいであったが、汗を拭き吹きそのコートへと急ぐ。と、見覚えのある姿が見えた。ちょうどKKペアが試合をしていたのである。間に合った!よかった!でも、ゲームは劣勢である。慌てて声援を送る。「私だ、メロスだ!」って違うってば。ウソか誠か、私たちが到着直後からKKペアが挽回し始めた。勝敗はタイブレークに。先にマッチを握ったのはKKペア。しかし、そこから相手に粘られ逆にマッチポイントを取られてしまう。しかし、そこをしのいで再びマッチ。最後は前衛のK谷が決めてゲームセット。いやはや、大阪まで応援に来た甲斐があった。結局、KKペアは次の試合で敗れて、翌日の試合はなくなった。しかし、全国大会で1回戦は突破したのである。立派なものだ。しかも、まだ団体戦もあるのだ。

その日の夜は、大阪の中体連ソフトテニス部委員長であるシモムラ先生とミナミの千日前で落ち合い、先生お薦めの道頓堀の焼肉店にて小宴。いやあ、ほんとうに美味しい焼肉であった。暑い一日だったから、ビールが水のように飲めてしまう。

翌日は、個人戦2日目に残ったK学園高のもう1ペアの応援。夕方からは内田先生宅にて「うなぎを食べてビールを飲んで麻雀」大会だったから、ナンバからバスで会場入り。K学園高ペアは、次々と強敵を撃破したが、16本取りで個人戦準優勝したペアに敗れてベスト32。しかし、いい試合を見せてもらった。

ちょうど昼に試合が終わったので、そのままヨッシーと神戸に移動する。昼食に本場神戸の「そばめし」を食べようとの目論見である。昼食後は例によってジュンク堂やらHMVやらを回って買い物。HMVでチャールズ・アイブズの交響曲全集を見つけた。こういう掘り出し物を見つけるのが何とも楽しい。

さて、内田先生のところへは夕方5時にお伺いするとのことであったので、4時に浜松から新幹線で駆けつけてきたオノちゃんと合流し、芦屋駅の地下生協で買い出し。先生は、その日の午後大学にて会議が入っているとのことであったから、「もうお戻りですか?」とのメールを入れたが返信がない。ひょっとしてもう帰ってるかも、とご自宅のインターホンを押してみると、「どうぞ」と返事が返ってきた。どうやらイワモっちゃんの声だ。試合を終え、宿舎移動の準備もそこそこに駆けつけてきたK学園高のスガイ先生とも合流して、いざ先生宅へ。

リビングではもう対局が始まっていた。すぐにオノちゃんとヨッシーがうなぎを調理し始める。イワモっちゃんは、先日神戸にてうなぎの白焼きを食したそうなのだが、「どうも浜松うなぎと味が違いすぎるんですよね」と言っていた。その違いを確認してもらうために、まずはイワモっちゃんに白焼きを生姜醤油で食べてもらう。そのイワモっちゃん、食してしばらく瞑目後、「わかった、脂の乗りと皮のパリパリ感だ!」と宣わった。浜松の人間は、地元以外ではほとんどうなぎを食べない。だから、大阪や神戸のうなぎがどんな味なのかよく知らないのだ。でも、こうやって双方のうなぎを食したことのある人から言わせると、やはり浜松のうなぎは美味らしい。みなさんに喜んで食べてもらって何よりである。

今回は、内田先生にぜひお聞きしたいと思っていたことがあった。対局の合間にそのことをお話しした。先生からは力強い後押しをいただいた。それをお聞きしただけでも、来た甲斐があった。お話の後は麻雀。しかし、今回はまったく勝てなかった。詳しい結果は、先生の日記にあるとおりである。多くは語るまい。しかし、これで本部との対戦は1勝1敗である。次回こそ、支部の強さを再確認していただき、「浜冦恐るべし」と知らしめるのである。先生、また次回の対戦を楽しみにしています。ありがとうございました。

明けて4日は団体戦。K学園高は見事初戦を突破し(KKペアも勝ち)2回戦へと駒を進めたが、その2回戦はシード校と対戦し、3番勝負の末に敗退。しかし、K学園高のテニスは全国大会で十分に通用するということを証明できたように思う。教え子たちの善戦を含め、応援に来てよかったと実感させられたインターハイであった。会場を後にする前、この試合で引退するK原崎と一緒に写真に収まる。本当によくがんばったと思う。労う言葉とてなかったが、ひと言「ごくろうさん」とだけ声をかけ、大阪を後にする。

さて、8日からは東海大会である。明日の午後には、四日市へと移動して大会に備える。いやはや、テニスに明けテニスに暮れる夏休みである。

インハイ会場にてK原崎選手と