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あの日に帰りたい

6月21日(月)


僕の青春も終わった。

バイバイ。

青春なんてとうの昔に終わったと思っていたのだが、実はぜんぜん終わっ
ていなくて、それがこの日に突然終わってしまった。

「葉緑体、オオカナダモ、はっていうこのスタンス」から遠ざかって大分
経つなあ、という自覚はあったのだが、なんのなんの32歳まで僕の青春
は細々と続いていたらしい。

それがいきなり終焉を迎えた。それはまるで、椿の花がなんの前触れも無
く、ぼとりと地面に落ちるようにあっけなかった。

何があったのかって?

うん。あのですね、何があったかというと、えっと、あの、恥ずかしいの
で小さい声で言いますが、痛風発作です。

あ、あなた今笑ったでしょ。いじわるだなあ。今笑った人は、間違い無く
プリン体の雷に打たれるであろう。

この日は、夕方から何となく右足の親指の付け根のところが痛かったのだ
が、筋肉痛か何かだろうと思っていた。良く考えると、そんな部位が筋肉
痛になるはずないのだが。

11時過ぎに家に帰り、届いたばかりの新しいパソコンにATOK16を
インストールしながらビールを飲んでいると、どんどん足の痛みが強くな
る。なんじゃこれはと足に目をやり、右の親指が腫れているのを見た時点
で、痛風発作を確信というか、確診。

先週の後半から外食が続いたのと、ビールの飲みすぎが原因だと思われる
が、それにしてもこのくらいのことは今までも沢山あったわけで、まさか
自分がこの歳で痛風発作を経験するとは思ってもいなかった。4月にした
血液検査では、尿酸も正常範囲だったのに。

もちろん、若い人で痛風発作を起こす人もいるわけだが、僕の場合は明ら
かに加齢というファクターが今回のイベントに関係しているように思う。
白血病等で白血球の数が急激に増えると尿酸が上がるのだが、たぶんそう
いうのでは無い。

発作の程度もごく軽いものだし、腫れが引いたらまたビールを飲み始める
のだと思うのだけれど、これからはどこかで発作を恐れながら飲むのかと
思うととても悲しい。つい2日前までは、なんのためらいもなくイノセン
トにビールをかぱかぱ飲んでいたと言うのに。

もうあの頃には帰れない、という感覚は数日単位でも起こりうるものだと
いうことを初めて知った。

何を持って青春の終わりと定義するかは結構難しい問題だとおもうが、村
上春樹も『村上朝日堂はいほ―!』で書いているように、それは結局は自
分の中で何かが終わるのを感じた時なのだと思う。

悲しんでばかりいても仕方が無いので、これからは「若いおじさん」生活
を楽しみたいと思います。ぐすん。

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2004年6月23日 19:37に投稿されたエントリーのページです。

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