Citibankで口座と小切手帳を作成する
マンハッタンのど真ん中、5thアーベニューとマジソンアーベニューの角、43丁目にある45年続いている美容院を、引き継ぐプロジェクトには、いくつもの問題がありました。
公正な資金計画に基づく契約の完了が出来るのか、長期滞在のためのビザの申請、すでに出来上がっているルールの基に経営されているサロンのスタッフとの人間関係を、うまく構築していけるのかどうか。
朝、目覚めて、すぐにベットメイキング。そして、シャワー室に向かうというルーティン。
H川さん(81)とSammyさん(72)という大先輩2人と、NY郊外のハーツデイルのマンションに同居し、先輩のルーティンに学び、とにかくNY生活に慣れることから。
シーツの端と端ををビシッと張ってのベットメイキングの後、まずはシャワー室へ直行。頭から熱いお湯を浴びて、ようやく頭が冴えてくる。
朝食は、トーストとコーヒーとサラダです。たまにクルマで10分ほど走り、一駅向こうのスカースデイルにあるベーグル屋さんに行くのが楽しみでした。
焼き立てのベーグルを求めて、緑深い森の中、アップダウンヒルの道をクルマで疾走する。親子で経営されているベーグル専門のお店で、プレーン、チーズ、セサミ、粟、サーモンとサワークリームなどから選んでオーダー。歯応えがしっかり、中はもっちりのベーグルは、柔らかめのベーグルが主流の日本とは異なり、ここでしか味わえない食感です。
この日、お気に入りのシャツにネクタイを締めてジャケット姿。H川さんとグランドセントラル駅を目指す。たぶん、アメリカの口座を作るということで、緊張していたのでしょう。
時計台のある中央広場の右側のエレベーターに乗る。上がってすぐ右側、駅構内のCitibankに突撃。たくさんの書類や面談が始まるぞ。大袈裟ではなく、私的にはそれくらいの気持ちで望んだわけです。
入り口に扉はなく、すぐにキャッシュディスペンサーが並んでいる横をすり抜け、シンプルで機能的なカウンターの前で、言われるがまま名前やNYのハーツデイルの住所を書類に記入。自動車の国際免許を提示。
かなり厳しい審査があるのではと、予想していたのですが、2〜3分ほどてあっさりと終了。
同行のH川さんの口座に紐付けされたからなのか?現在では不可能と思いますが、その当時は、そんな簡単にことが進んだのです。これで口座を作成、カードを申請し、小切手帳が1週間ほどで届くと知らされてやや拍子抜け。
でしたが、小切手の書き方を習って驚いた。日本の銀行口座から、引き出すときに記入する用紙の内容と大差はないのですが、印鑑の代わりにサインを書き込むと、そのサインをキャッシュディスペンサーの機械が読み取ること。手書きで記入した数字とサインが書かれた7×15cmの薄い紙を差し込み、金種を指定すると、あら不思議。現金が出てくる。
どういう読み取りの仕組みなのか、未だに理解は出来ませんが、筆跡などを機械が判断するあたりは、サインによって承認するというアメリカの伝統的文化に、改めて敬意を感じたわけです。
昨今、日本では印鑑での書類作成の煩雑さが、仕事の速度の妨げになっているとの問題提起がされていますが、指紋認証や顔認証や瞳孔認証が主流になる時代にはまだまだ時間を要するのでしょう。
この数年で、キャッシュレス化がかなりのスピードで進んでいますから、世界共通の通貨として仮想通貨のように、新札発行を機に日本独自の仮想通貨を作成し、タンス預金をすべて巻き上げようとする喜ばしくない政府の企みも噂されているようです。
いまだに小切手が、現金の代わりとして一般人の間でやり取りされていることは、日本のキャッシュレス化の波とは対局にあるアメリカの風習文化。
帰宅前に、グランドセントラル駅の中にあるマーケットで、夕飯の材料を購入することに。
グランドセントラルターミナルは、NYの象徴的な存在。映画やTVドラマにもよく登場する場所。とても美しい建築物で、ニューヨークを代表するグルメやショッピングスポットが集まっています。地下に独特のフードコートやオイスターバーなど歴史のある老舗のレストランの存在も魅力のひとつ。
この日、チーズやバケットなどを求めてマーケットを見て回りました。その模様は次回に。