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IT秘書走る

10月10日(月)

「週刊朝日」10/14日号の書評欄「週刊図書館」に「だんじり本」つまり「岸和田だんじり だんじり若頭日記」が取り上げられた。
とてもうれしい。それはうれしい。
書評は短い文章ではあるが、だんじり祭というものが巷で喧伝される荒っぽさだけでなく繊細なコミュニケーションによって支えられていることを書いて頂いていて、最後の「しゃべり散らかされる岸和田弁がカッコいい」という一節にメガトン級にぐっとくる。

その感想を書こうとして、加えて昨日のテーラータカクラで開かれた「同年会」のことを長屋のみなさんに報告しようとして、マックを立ち上げると、画面がぶるんぶるんと大揺れ状態である。
使っているマックはiMacだが、ブラウン管内に出てくる画面の絵図が縦横に揺れ、そのままフリーズしてしまうのである。
何回やってもそんな感じで、ぶるぶるっとくる。

これはあかん、やばい、とこの長屋の内田先生のIT秘書のイワモトさんにSOSのケータイを入れるとすぐ出てくれた。
こちらから状況を伝える。
「あー、それはもうアウトかもしれませんね。ハードウエアの問題です。つまり寿命かもしれません。けれども、とにかく診てみないと分かりませんから昼からそちらのお家に行きます」とガーンとくるが、親切極まりない涙ちょちょ切れる返答。
「ええい、もうどうにでもなれ。イワモトさんにアカンて言われたら諦めもつくわいな」とふて寝していると(実は風邪引きで熱があった)午後2時にわざわざ来てくれて感激する。
オレのiMacはやっぱり調子がその通りで、イワモトさんはコントロールパネルのなかを触ったり、モニタの設定をいろいろしてくれたものの相変わらず画面が「大揺れ状態」で頭を抱える。
ひょっとして電磁波の強い電子機器を使ってないか、テレビやオーディオのオン/オフでは…といろいろやって、なんかプラグを差し込んでるタップから音がしましたね、だから電源がどうかということで、つなぎのタップからiMacのコンセントを抜き、直接壁のコンセントに直結するとあーら不思議、安定するではないか。
「多分タップが悪いので、コンビニにでも行って買って来てください」
「はいはい、走ってきます」
ということで最近のローソンに行ってTOSIHBA製の3口タップを購入。
それでけろりと直って(それどももうOS9.2のこのiMacは寿命だと言われた)このブログを書けている。

9日午後6時にテーラータカクラで行われた恒例の「同年会」は最高だった。
主の若頭筆頭を終えたばかりのM人と去年の筆頭で前梃子の相棒のM雄、去年岡山に転勤になったKバも祭と同じように帰ってきているし、JRの車掌のS本も休みである、それと駅前商店街の店を早々と出てきた判子屋のYちゃんとで計6人。
あのアエラに載ったそのままのその元店の部屋で酒を飲む。
M人は鱧鍋を用意してくれている。
具、つまり鱧以外のあしらいは、泉州~淡路のそれを知っている人なら容易に分かるだろうが、タマネギと生椎茸、豆腐、三ツ葉、ジャガイモ。
ダシは骨切りした後の鱧の骨を炙ってそれを湯に入れ醤油、酒、ミリンとシンプルだが深い。
薬味は柚子胡椒のみである。
「今日の鱧、脂のってて抜群やど」との通りむちゃくちゃ旨い。M人は料理が上手い。

入手したばかりの今年のだんじりのビデオを観ながら、ビール、焼酎(麦)、焼酎(蕎麦)、焼酎(芋)と進み、締めは「鱧はうどん違て、そうめんや」と素麺で腹も一杯になる。
10時くらいに、山手の祭の本宮最終にさしかかる「箕土路町」のTくんからしきりにケータイ。
TくんはM人の従妹の旦那さんで「365日祭りを中心に動くまち、そんなまちから生まれた“だんじり祭賛歌”ー『泉州のひと』」という「セトやん」のCDの作詞家である。
「今からでも早よ観に来てくれ」とのことだが、M人は「それは遠慮しとくわ」とのやりとりの後しばらくあって、再度「これだけ聴いてくれ」と箕土路町の「仕舞い太鼓」の実況中継がケータイから伝わる。

この町独特の祭が終わるその時、だんじりがすでに入庫せんとする際に、演奏する神楽のような囃子である。
回ってきたケータイに「Tくんか。知ってるで、オレのだんじり本の表紙描いてもろた六覚千手の兄貴の“箕土路の鳴物”のCDで聴いたことある。そやけど、やっぱりその通りや。そっちはそっちでええ祭やのお」と答える。

山手の後梃子さんはじめ、10月祭礼地区の皆様方、8日は雨で大変でしたが9日はいい天気で何よりでした。
本当にお疲れさんでした。

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2005年10月11日 20:47に投稿されたエントリーのページです。

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