7月30日(土)
月1回のNHK第1放送のナマ「土曜関西ほっとタイム」で、ミスター大阪弁アナ・佐藤誠エグゼクティブアナウンサーと遙洋子さんが「だんじり本」について紹介してくれた。
NHKのあと編集部に寄って「パソコンが?とOSの点滅やねん、うーん困った」と副編のS岡くんに相談すると「それはOSを認識していないから、とにかく一度、そのOSバージョンのCD−Rで立ち上げてみてください」とのこと。
だけどCD−Rなんてウチにあったかな。
それはともかく今日は「第二回 六覺千手展」が開かれているので、岸和田に行かねばならない。
昨日の夜遅くイワモトさんに「あす夜8時くらいに連絡してください、それからそちらにうかがいます」ということなので、急いで岸和田に向かう。
地下鉄四つ橋線に乗りなんばで下りて、そういえば朝から何も食べていないことを思いだして、角の立ち食いうどんで天ぷらうどんとおにぎりを食っていると、藤井町の世話人のT本さんからケータイが入る。
出張で東京から帰ってきて南海岸和田駅で下りたら、駅前の木下書店の一番前に「ひろきの本、山積みや。売り上げに貢献したったからな」。
T本さんは、前梃子責任者も若頭筆頭もして、確か来年は藤井町曳行責任者をされる予定である。
その岸和田駅前の木下書店の様子を見たかったが、時間がないので次の蛸地蔵駅で下りて「だんじり本」の図解ページの絵とデザインしてくれた籔内博氏に見本誌を届け、本町紀州街道沿いの光輪庵に行く。
六覺さんの個展が、紀州街道の町家のゆるい空気の中で行われていて、そこで「だんじり本」がシブく売られているのだが、もうすでに10冊以上売れたとのこと。
六覺さんはすでにいろいろなだんじり好きの方に著者サインを頼まれているということで、「こんなん初めてや」と思いながら、それでも1名ずつ別紙に下書き練習をして、丁寧に書く。
町家ギャラリー光輪庵の代表の吉野さんにも頼まれる。
オレは「字を間違えたらあかん」と必要以上に上がってしまって、汗びっしょりだ。
そうしていると、岸和田市青年団協議会会長の塚本くんがひょっこりやってきて、「あ、江さん。ラッキー。ボクもお願いします」。
さらに2冊分サインを書く。
うれしいけど、ちょっと逃げ出したいなあ、と思っていたグッドタイミングに、南町の平成15年度若頭筆頭のWが来てくれた。
「だんじり本」をその年、祭礼年番長をされていたT谷さんに届けてもらうように約束していたからだ。
年番長はその年の祭礼一切を取り仕切る、いわばだんじり界のドンである。さらにT谷さんは、南町々会長で今年は祭礼町会連合会会長をされている(7月17日ブログ参照)。
ちょっと前に「本屋で買うから、ええよ」と言っていただいていたが、そうもいかない。
まず平成15年度若頭責任者協議会会長の筋海町のNにそれを伝えると、「一緒について行ってやる」との事だったが、南町のWから電話を入れてもらうと、T谷さんはこの日多忙なので「Wくんに渡しといてくれ」とのことだ。
封筒に入れた「だんじり本」をWにことづけ、とりあえず一緒に六覺さんの作品を見る。
「ちょっといこか、時間あるやろ」とW。まだ4時過ぎである。
地魚料理「ヒロ」に行く。 この店はミーツでも取材をしている。
まあ8時に帰ればイイや、と思ってカウンターに座る。
この店のウリは、地元のとれとれ活魚である。
それもハモならハモ、シマアジならシマアジと同種の活魚が泳ぐ1メートル以上もある大きな水槽がいくつか並び、さらにデカイ店内の半分以上も占める厨房の床に、タテヨコ3メートルくらいのプールが掘られてあり、魚がすいすい泳いでいる
町内なので顔なじみのWが「なんか、造ってよ」と親父さんにいうと、アジ2匹がすぐさま締められ、いかった造りになって出てきた。
うまい。ビールが進む。こうなると、腰が据わってくる。
Wが筋海町のNに「今、ひろきとおるんや。すぐ来れるか」とケータイをして呼び出す。
「おー、まいど」とすぐさま彼は自転車に乗ってやってきて、座敷に席を変える。
話は「だんじり本」のことになる。
「肝心な祭のところ、抜けちゃある」
「それは、祭やってるから書かれへん」
「そやけど、誰が何ゆうたとか、よう覚えてるな」
「帰ってすぐに書くから忘れへんし、寄り合いとか会議やったら、お前ら執行部の要項とかにメモするんや」
とか、いろいろやっていると、今度は春木南の筆頭N村さんから、会長のNにケータイ。
「だんじり本が届いた」とのことで、「今、ちょうど江とWといてる。その話してるからすぐおいでな」となって、すでに焼酎の水割りになってる頃に到着。
そうなると、もうイワモトさんに「すいません、きょうは岸和田で掴まってしまっていて」と電話するしかない。
気がつけば、Wと小学校から同級生の籔内画伯と弟が来ている。
弟のAくんは、現在南上町の若頭副責任者。
数年前にだんじり所有町になった南上町は、ここ3〜4年、いわゆる「町内曳き」をやっている町だが、平成19年度に三百年の歴史上初めて、岸和田だんじり祭に参加予定である。
そのAくんは、記念すべき初年度の南上町の若頭筆頭予定者であり、今年からすでに若頭責任者協議会に参加している。
この南上町がカンカン場を遣り回ししたり、岸城神社の宮入でコナカラ坂を上がるシーンは、ちょっとお気の毒だが想像するに難しい。
けれどもその実現に向けて、一歩一歩確実にその存在を示す大役を果たしているが、それは想像するまでもなく、なかなか大変であろう。
もはやオレは何を言ってるのかも分からない泥酔状態でお開きになり、岸和田駅までNの自転車の後ろに乗せてってもらうが、すでに電車はなくなっていた。