1月1日(祝)
午前10時、だんじり小屋にての新年祝賀会。
5分前に行くと、だんじり小屋が開けられていて、もうすでに集まっている。
クルマや人通りの少ない元旦の朝、そこだけ街である。
同じ年のものも世代が違う人にも、顔を合わす人ごとに短い新年の挨拶をする。
白い布を敷かれた長机には、おでんと豚汁の大鍋と酒澗用のコンロ、スチロール製の
容器、一升瓶などなどがセットされている。
コマ止めを抜き、まわりにいる者でそろりとだんじりを2メートルほど前に出して止
める。
踏み板に鏡餅と酒、スルメを置き、両サイドに盛り塩をする。若頭の仕事である。
本年度の曳行責任者のKさんが正面に行き「ええか」の声で、100人あまりの五軒
屋町の祭礼関係者が二礼二拍一礼。
そしてコップに御神酒を2センチほど注いで回り、スルメを裂く。
Kさんの短い新年の挨拶のあと「乾杯」。
今年は例年に比べて寒い。だから、おでんや豚汁や酒が旨い。
大工方のAが上下冬仕様のスポーツウエア大工方のBに「おまえ、ほんまにうまそうに
食うてるのお。その 格好見てたら、西成のアンコの炊き出しか、震災の救援や」と
言って、みんなは爆笑する。
1時間ほど飲んで話して、後かたづけを若頭でして、だんじり小屋を閉める。
拾五人組の幹部たちと、若頭は幹部、前梃子、大工方の数人で岸城神社に初詣に行く。
屋台の並ぶ鳥居の前、ちょうど岸和田高校のグラウンド前で、昨年度本町若頭筆頭の
Hと会う。
「おおHか、おめでどうさん」とオレと同じ昨年度若頭筆頭M雄は言う。
Hは「M雄、16日やぞ」と言う。平成16年度若頭責任者協議会の新年会の確認か。
そういえば去年の元旦も参拝に並んでいて、同じようにHと会った。
「五軒屋町は、みなで初詣か」と彼は、そういう町なのだとちょっと感心して言って
いた。
元旦からのこういうのは実にだんじりそのものだなあ、と思う。
鳥居をくぐり、めいめい口と手を清め、今年の若頭筆頭のM人を先頭に、参拝の列に
並ぶ。
コメント (1)
岸和田の新年、日本を感じますね~。
年の瀬のブログに、「家族と過ごすのではなく、カウントダウンやらにうつつを抜かすとは…!」ってなこと書かれてたでしょ?その対極にある風景、何ともほっとする、落ち着くお正月。
こーゆー「静かな雑音の中、生きた時間が流れる」系文章も好きですし、
”だからなんなんだよ”にある、痛快・自説系文体も、江さんならでは、ですね。
(長屋の主、内田先生の語り口とは、また異なりますもん)
今年もブログチェック、楽しませていただきます~!
投稿者: 門葉理 | 2005年01月06日 01:18
日時: 2005年01月06日 01:18