11月10日(日)ハンガリーに来てよかったこと

 ハンガリーに来てよかったと思うことは、あまりない。ハンガリー人はハンガリー人で、オマエになんか来て欲しくなかったと、ありったけ僕に知らせてくれるのだから、お互い様なのだろう。

 適当に講義に出て、適当に試験を受けて、適当にクラスメートと話して、それだけ。講義の内容も試験が済めば忘れてしまうし、自分をいじめてきた奴の顔など、誰が記憶しておきたいだろう。ハンガリー人の顔もしばらくすれば記憶の霧の彼方。

 大学入学の合格通知は「ぜひきてね」という意味ではなく、「合格ってことにしてあげるから、恥は書かずに済んだだろ。だから、これ以上ブダペスト大学に近づいてくんな」という意味だったようだ。そうならそうと、言ってくれればよかったのに。

ビザの問題があるので、とりあえず残りの試験だけは受ける必要があるが、それが済んだらブダペスト大学を去ろうと思う。これ以上、嫌悪をぶつける連中と関わりたくはない。

 とりあえず外国語の本をたくさん読もう。過ぎたことと失った時間のことは忘れよう。何か残るものがあるとしたら、それが一番だろうから。他に移民に寛容な国はあるはずだ。