11月5日(火) がんばりたくないけどがんばっているが、がんばりたいわけではない

 来る日も来る日も勉強している。ブダペスト大学で勉強するということがどういう感じなのかといえば、実感としてはまさに「地下にある複雑な洞窟を探検している」という感じだ。

 洞窟は地下にあるので、日光はまったく当たらない。どこまでも暗く、地下水脈が流れていて、先人の遺した遺跡があり、ときどきコウモリがいたり...という洞窟の迷路の謎を、ドラキュラになったような気分で解く。何も準備せずに入れば、真っ暗で何が何だかわからない。だから、暗闇を照らすための電灯を充電するために「勉強」をする。そんな感じである。充電としての勉強。放電して暗闇を照らす機会が講義とゼミなど。

 求められる英文の読書量は、およそ一ヶ月で最低1000ページ程度である。1000ページといえば、長編小説一本分、あるいはエッセイ本が三、四冊程度くらいだろうか。たいした読書量ではない。でも、それは日本語であればたいしたことがないというだけであって、外国語で1000ページを読むのはそれなりに大変。それに、より十分に理解するためには、正直この倍は読んでおきたい。

 がんばる日々である。でもあまりがんばりたくない。わかることが増えると、だんだん権威ある人との衝突が生じる。それも生き馬の目を抜くような凄まじい衝突が。権威を威張るために使うのはやめて欲しいものだ。