8月3日(土) JKローリングの誤謬

 誰が差別主義者のことを気にするというのだろう。
 
 国際ボクシング協会の検証されていない検査に基づいて女性ボクサーを男性と呼んでいる時点でJKローリングは「権威に訴える論証の誤謬」を犯している。「権威に訴える論証の誤謬」とは、論証したいことについてよく知らない人の言うことを根拠に推論することである。これは僕には深刻な間違いのように思える。
 
 たとえ『ハリー・ポッター』が多くの人を救った価値ある作品でありJKローリングがその物語を書いた人だとしても、そんなことはこの際どうでもいい。それが誰であろうと、現に誤謬を犯していて、しかも差別的な文章を「書いている」のであればその「行動」は間違っている。

 なぜ人は誤謬(もし本人が意図しているのであれば詭弁)にコミットしてしまうのだろう。目先の利益に誘導されたのか。脅されたのか。支配欲や驕りがあったのか。社会の不平等によって適切な教育を受けられなかったからなのか。

僕にとってローリングの言葉についての信用は、すでに灰となった。

 日記を書く前に読んだ記事

Kat Brown, "Olympic boxer Imane Khelif is a woman and has always been a woman (no matter what JK Rowling says)", https://www.independent.co.uk/voices/imane-khelif-woman-jk-rowling-olympic-boxer-trans-b2590258.html