ブダペストは長らく神聖ローマ帝国領のパンノニアと呼ばれる場所にあった。帝国の本拠地であるローマに出かけようと思う。
ブダペストからウィーンを経由して、ローマに向かう鉄道に乗る。ブダペストからウィーンまで2時間、ウィーンからベニスまで8時間、ベニスからローマまで8時間ののんびり鉄道旅行。ウィーンからイタリアに向かって国境を越えるまで平野を行くのかと思いきや、かなりの割合で山や森の中を走る。雪の残った山の峰や牛や馬を眺めながら、夜中にベニスに到着。乗り換えに2時間ほどあるので、夜中のベニスを散策。海のにおいがして嬉しい。ハンガリーは内陸なので、海の気が全くない。ドナウ川は流れているから水の気はあるけれど、海と川はにおいが違う。海の気に飢えていたようで、藻のにおいが嬉しかった。
ベニスは今や観光都市になっているので、夜中でも煌々と照明がついている。きれいな街明かりを見るのもいいけれど、空を見上げるの月と星が街を装飾していることに気づく。今のように観光都市になる前、ベニスを訪れる人たちは海のにおいと波の音を聴きながら、夜空の星に照らされる中世の建物を眺めてお酒と食事を楽しんだに違いない、と妄想した。だから、個人的には街の明かりの量をもう少し減らして欲しいと思いましたね。