12/3(日) 客を迎える

 ハンガリーはヨーロッパの中でもとんでもなく地味な国である。ハンガリーが地味なのか、地味なのがハンガリーなのかという域にまで達しているように思うほどその存在は他から知られていない。
僕のような外国からの留学生は基本的に学問を目的に来ているので、事前にある程度調べ物もしているし、がっかりするようなことがあってもそれはある程度想定の範囲内である。ところが、やって来る人が「お客さん」で僕がハンガリーに客を迎える側ということになると、その苦労は想像を絶するものになる。
 新しい社会のあり方から取り残された人がどんな闇を抱えているのか。闇があまりにも深いので、ハンガリーの人と世間話をしていたら、突然「子供と親とどっちが大事?(@太宰治)」なんていう質問をされて肝を潰すことがある。
 でも、簡単には答えられない質問について考えることや、何年も未解決のとんでもない難問に取り組むことは、本当のところ僕のキャパシティの範囲内にあることなので、悩みの深さなら僕だって負けてはいない。
 良い問題に巡り会えたらいいと思う。