10/4(木) マルティン・ルターとウィクリフ

 自分の考えを共有できる人に出会うと、嬉しい。日本では共有できなかった考えが異国で共有できると、留学に来てよかったな〜と思う。
 直接会う人とはできていないけど、ブダペスト大学図書館の本とは「考えの共有」ができ始めている。日本の図書館や本屋さんと違う時空の本が配架されている。
 ドイツ(なぜドイツランドと呼ばないのか不思議)のキリスト教世界はとても恐ろしく、非人間的なことがたくさん起こってきたことを知り、感覚的にもそうだと思う。ハムレット王子が学んだのはウィッテンベルグ大学だけれど、ここで教えたマルティン・ルターの宗教改革も色々と問題を含んでいたことを知る。ルターははじめユダヤ人に対してもプロテスタントの門を開こうとしていたが、晩年、On the Jews and Their Liesという文書によってユダヤ人迫害を呼びかけた。これがのちのホロコーストにつながっていることは明らかだ。
 僕はキリスト教というとカトリックかプロテスタントかという区分くらいしかピンときていなかったけど、それはかなり杜撰な分け方だったようだ。僕が知っている同志社のプロテスタントはどちらかというとイングランドが起源のようだし、また、僕が一番興味のある英国国教会もルター派とは系統が違うように思う。
 イングランドはイングランドで宗教改革をやったし、ドイツはドイツで宗教改革をやったので、それぞれの国の宗教改革はお互いに影響しあってはいるけれど、起源を辿ればそれぞれ結構違う、ということだと理解した。その違いは、実際にその土地に住む僕としては重要だ。
 ハンガリーは宗教的にドイツの影響が強いように見えるけれど、ドイツやハンガリーで過去に起こってきた残虐な出来事の数々を思うと、そういう世界とは違った、イングランドの宗教改革者ウィクリフのいたオックスフォードには是非一度行きたいな〜、と思う。

Discipline your mind.