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樽酒と三番叟のお正月

鼻風邪が治らないなあ、と思っていたある朝ハタと膝をうった。こりゃ花粉症だよ。
ヤツとの戦いはすでに始まっていたのである。
機先を制されてしまったがまだ戦端は開かれたばかり。
挽回の余地はあると思い、耳鼻科に駆けつけた。
「検査で花粉の種類を特定することもできるんですがねえ。今日やりますか」
「そうですねえ」(今後の治療に必要ならやっていただきたいですがどんなもんでしょう)
「でも通うのは難しいですよね」
「仕事してますので平日は難しいですね」(ということはその検査のために何回か通院が必要ということですね)
「そんなら今日は飲み薬だけお出ししておきましょうかねえ、どうですか」
「そうですねえ」(先生が治療方針としてそれでよいとご判断なさるのなら異存はありませんけれども)
「今から三月ぐらいまでは続けてお飲みになった方がいいですねえ。今日はとりあえず一ヶ月分ぐらいお出ししときましょうか。どうですか」
「そうですねえ」(そういうものでしたらそれで結構ですけれども。様子をみてまた来てね、ってことですよねきっと)
先生さまあ、患者の私にいちいち判断を求められても困るだあ。
お医者には納得のいくまで説明を求める、というのは正しい態度だと思う。
しかし本日のようにあまり緊迫感を伴わない局面で、いちいち問い質してなんだかくってかかっているように思われても不本意なので、( )内の言葉は飲み込んで曖昧な笑顔を返した。
結局「アレグラ」という薬が一ヶ月分処方されることになった。
これまでの花粉症用の飲み薬はなにしろ眠くなるのが難点だったが、これは「パイロットが飲んでも大丈夫」という宣伝文句で、まず大半の人は眠くならないのだそうだ。
確かにちっとも眠くならずに症状はきちんと軽減している。
今シーズンはアレグラさんに期待をかけて3000点。
バイアグラの「グラ」と何か薬学的な共通の意味があるのだろうか。

で、水っ洟を垂らすことなく初春公演の稽古。
正月三日には樽酒のお鏡開きと三番叟で賑々しく初日が明き、和服姿のお客様がどっどどっどとお詰め掛けになる。
まことにおめでたい。
しかしお休みは大晦日と元旦の二日間のみというヤクザ稼業っぷりは、「東京の年末年始の風情」好きとしては非常につらい。
舞台稽古の合間に人気のないロビーから空を眺めると、もうすでに空の青が正月仕様になりつつある。
あああ、年末年始のお約束行事がなーんにもできてないよ。
早く帰ってお飾りつけなきゃ。

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2004年12月30日 18:30に投稿されたエントリーのページです。

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