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2010年3月 アーカイブ

2010年3月 1日

お稽古の日々

2月28日(日)

 今日は朝から姫路の県立武道館まで出かける。
年に一度、この時期にも本部道場の先生による指導のもと、合気道講習会が開催されるのである。手元の記録(国際有段者証)によると、この講習会にはどうやら毎年参加しているらしい。
 稽古はやはり各道場のカラーが出ていた。どれがいいとか、悪いとかいうものではない。同じ合気道をしているのに、始まりは同じなのに、こうも大きく変化するなんて。毎回そのことを思うと同時に、多田塾門下の道場に属していてよかったなあと思う。
 講習会では、これまで顔を見知った先生方が顔を覚えてくださっていたことがうれしかった。今回、新しく知り合った方もいて、和やかに懇親会まで参加することができた。日本酒も結構おいしかったし。


2月27日(土)

 今日は昨日を思えばお天気も回復。元気に稽古に向かう。


2月26日(金)

 能の稽古に行く。今日は装束をつけてもらう。今度の舞台で舞う『敦盛』の衣装をつけてもらうのである。仕舞のときは、着物に袴を穿くだけだが、実際の能の舞台に立つときの衣装はそうではない。何となくでも想像していただくとわかるようにきちんとした格好がある。今回は、烏帽子、鬘、面はもちろん大口、羽織、太刀などを着せてもらう。着付けをしていただくうち、だんだんと敦盛な気分になってくる。最終的に重量は5、6キロほどになっただろうか。いや、もっと重かったかもしれない。ともあれ着付けていただいている間は、何キロかの重さのある石を、回数を分けて背中から乗せられているような感覚に襲われた。
 完成した格好で本番さながらの舞を舞う。面をつけると、ほとんど何も見えない。能面は目の部分と鼻の部分しかほぼ開いていないので、つけると真っ暗闇に近い。これで能楽師は舞台に立つというのだから、能の舞台というのも、結構孤独なものだなあと思う。

 その後、大阪に移動して中村明一さんの「密息」の講座を受ける。『「密息」で身体が変わる』(中村明一著、新潮選書、2006)を読んで以来、ずっと気になっていたのだ。(『考える人』で内田先生とも対談されている)。
 講座は、「密息」の基本から、呼吸の感じ方、仕方、感覚の捉え方、実際の呼吸の行い方、日々の訓練法、基音、倍音、姿勢への影響、演奏など、解説と実践を交えて、わかりやすく説明された。予め本を読んでいたが、そこに示されている内容が、現場で聞いてみて初めて腑に落ちるというところも多くあった。二時間半の講座の上に、場の雰囲気がよかったのか、延長して三時間ほどの長丁場になった。今後の呼吸の参考になればいいなあと思う。
大雨の中でかけてみても、いいことがあるのを実感した日の出来事である。


2月25日(木)

 午後の稽古はえらいことでした。


2月24日(水)

 今日はとても暖かく、ノリがよかった!人間も表の温度が暖かいほうが動きがいい。


2月22日(月)~23日(火)

 杖道会の合宿に行く。ことしで二回目の開催である。
 今回は前回とがらりと場所が変わって兵庫県内陸部。初めて乗るローカル線(!)に揺られて、一路合宿会場へ。
 土地が広いのか、建物のなかは無駄に広い空間が続いていたが、部屋も廊下もすべてが清潔で、ご飯もおいしく、宿の方々のひとあたりもよかった。よい場所である。

 初日は、全剣連の形を一本目から十一本目まで、着実にさらう。参加人数が奇数だったので、杖と木刀の二人で組んで稽古するとき、時折「見張り番」として「待ち」の体勢をとらなければならないのが、とても残念だった。
 稽古が終わると、ソッコーで風呂に入るのはいつものことで、さらに今回は貸し切り状態の湯船に浸かるといった幸運に恵まれる。次第に心地がよくなる。
どっぷりと夜も更けたころ、ご飯を食し、小休憩後に宴会。おもしろかった。

 二日目は、朝稽古もなく、ゆっくり眠る。
 朝風呂に入り、目を覚まし、散歩して朝日を眺め、近くの空気を吸い込む。
 朝ご飯もおいしくたっぷり二膳いただいた。
 午前の稽古は、昨日の続きの十二本目の乱合と居合。いずれも、ひとつひとつ丁寧に行うことや理合を理解することがどれほど重要なことか、身に染みてくる。特に刀を止めることはとても難しい。内田先生曰く「刀を斬ることは簡単であり、止めることが難しい」のである。止めることを知らないのは、ブレーキの止め方を知らないままアクセルを踏んで車の運転をするようなものであり、とても危険なことであるとも。
 ほんとうにそうだ。
 刀を止めること。今後の課題になりそうだ。そういう意味で居合いは難しい。けれど、内面を見つめるよい稽古である。
 人数も少なめでこじんまりしていて、杖道についての発見も喜びも多くあった。実りある時間である。お世話になったみなさま、ありがとうございます。


2月21日(日)

 少し倒れてみる。


2月20日(土)

 今日は会場を変えて、有級者と有段者を分けて、二部制で四時間の稽古。暑かったが充分な稽古ができた。


2月19日(金)

 確定申告に行く。会場は混んでいるけれども、申告自体はスムーズに。


2月18日(木)

 「井上雄彦最後のマンガ展重版大阪版」を見に行く(二回目)。
 エントランスで流れていた『DRAW』のDVD映像にもまたじっと見続けてしまう。


2月17日(水)

 水曜日の稽古はさくさくと。


2月16日(火)

 掃除したり、勉強したり、未来を見つめたり。


2月15日(月)

 倒れこんだり、横になったり、連絡したり。


2月14日(日)

 杖と居合いの稽古の日。思ったより参加人数が少ない。体育館中があふれかえって、誰かに杖をぶつけたり、杖でたたかれたり、模擬刀とはいえ居合刀で刺されたりするようなことはないか心配であったが、何の問題も起こらなかった。よかったよかった。
ところで、今日の稽古人数が少なかったので、昨日の稽古人数が少なかったのは、これで単なる偶然ということもいえそうである。

 杖と居合の稽古は四時間あったが、あっという間に時が過ぎてしまった。それくらいするすると時間が経ってしまう。ある意味、武道の稽古は時を忘れて、こことはどこか違う空間に入ってしまうのだろうか。

2010年3月14日

丸亀うどんツァー

3月13日(土)

 合気道の稽古をし、その後、押し寄せる事務処理をこなし、来週の昇段審査特訓に出る(噂の「う塾」奇跡的に、瞬間的に開講となる)。しかるのち、大阪に移動し、朝カルにて、内田先生と釈先生の『現代霊性論』の対談拝聴。各方面から本にサインをいただき(ありがとうございます!)、フジモトさんのご厚意とご高配により、講談社主催の打ち上げ会場にて、末席をいただく。ありがとうございました。


3月12日(金)

 原因不明の頭痛に脅かされる。歩くだけで激しく痛い。嗚咽がするくらいだ。風邪でもなければ、明日の天気が崩れる影響でもないらしい。肩こりもなければ、重責を負っているわけでもないだろう。どこをどうみても原因不明。気晴らしに掃除をするも、気晴らしになるどころか、気持ちが随分曇ってくる。

 それでも夕刻には、重い身体と頭を引きずりだして、神戸女学院大学音楽学部音楽学科舞踊専攻の「第四回公演」を観に兵庫県立芸術文化センターへ。
これまで開催されてきた節目となる公演は、ほぼすべて足を運んでいると思うが、今日は、入学以来四年間見続けてきたひとたちの動きを通しで見ることができる舞台である。
僅かとはいえ同じ時間の流れの中で過ごすうち、見知った顔や関わりがある顔、実際に話した顔もある。四年間の時間を想像するとき、感動と感情で身体が大きく揺さぶられる。観ている側もぐっとひきつけられるし、熱くなる。胸がぎゅっと締め付けられる思いがする。
 たった四年間であんなことやこんなこと、あんな動きやこんな動き、というように、言葉では言葉にならないような動きが目の前で終始繰り返される。単に身体が柔らかいというだけではなく、身体の、そして人間の可能性を覚醒し、拡大し、活性化させ、生きる望みや可能性を大きくしているふうに見えた。豊かな実りが誰しも生きる先にあらんことを。


3月11日(木)

 夕方の稽古では、熱心な稽古をする。


3月10日(水)

 そして日常。日常と非日常の切り替えが難しくもおもしろい。


3月8日(月)~9日(火)

 早起きして、四国は、高松丸亀うどんツアーに出かける。
 少しお天気の様子を気にしながらも、三宮から高速バスに乗り、一路丸亀駅へ。
 今回の旅のお連れはヒロスエ氏。香川にも住んでいたことがあるというのだから、心強い。
 バスは定刻どおりに丸亀駅到着。
駅では四国と言えばあの御方、そうです「史上最強の呉服屋の若旦那」こと「丸亀の守さん」が迎えにきてくださっていた。
 守さんにご挨拶したのち、「おながか空いた~」と泣き叫ぶヒナドリのような我々。
まずは<なかむら>にお連れくださる。ここで、軽くおめざの釜玉(小)を一杯。おいしい。休日には車が列を成すという有名店。村上春樹も『辺境・近境』(新潮社、1998)のなかで、ここに出かけた件の話を書いている。葱を自分で取りに行くことは今ではもうないようだが、店までの道のりは地元の人でないとわかりづらいのは今も変わらず確か。
 次は<明水亭>へ。ここも場所はとんとわかりません。「鴨塩焼き土佐醤油うどん」をいただく。国産小麦粉100%使用した腰のあるうどんをお店のご主人独自の調理法でいただけるといった、まことに新しいうどんが再発見できるお店である。ほかには、「春やさいの釜玉チーズうどん」「菜の花のごまだれぶっかけ」がおすすめ。いずれもおいしい(全部食べたわけではないけど)。
 次は少し移動して<山下うどん>。ここでは、温かいぶっかけ(小)を一杯いただく。
何度聞いても覚えられないのだが、讃岐うどんには、大きく分けて温と冷があり、ぶっかけと生醤油と釜玉と釜上げがある。実物を見ればわかるが、文字を見ただけでは、ぶっかけと生醤油がどのようなものなのかわからないのだ。組み合わせはその場、その場、つまりは各店で得意な方面があるらしい。

 朝から勢い三杯もいただいたので、さすがにおなかも満ちてくる。ここで、よりよく腹をよくこなすため、金毘羅宮へと向かう。土産物屋が立ち並ぶ参道を歩きながら、あれやこれやと話すうち、金稜醸造元の蔵が見えてくる。いい蔵構えである。
 石段をひとつひとつ登りながら、左右に立ち並ぶ土産物屋。静かだが賑やかしい。奥書院の前を抜ける。石段が続く。まだまだ先は長い。そのまま初めての奥の院まで歩く。奥の院の山頂に着くと、山から見下ろす景色がさっきよりも大分変わっていた。街並みが小さく見える。
ことし初めてのおみくじを引く。
大吉!やったあ。記念記念。いいことがあるぞ、きっと。

 金毘羅宮のあとは、え!こんなところに!こんなおいしいお店が!としか表現のしようのない場所(だって田んぼのなかにいきなり建ってるんだもの)にある喫茶店に連れていただき、お茶。(これぞまさしく地元の方しかわからないだろうなあ)。エスプレッソが非常においしい。ぶれない味、心地よい空間、感じのいい店主。こんな場所に迷うことなくひきつけられるなんて、守さんってすごいなあのひとことに尽きる。身体はちゃんと錬らなきゃねえと、自らに向けて思う。

 エスプレッソのあとは、またうどん。<長田in香の香>で釜上げ。釜上げ専門店。麺もおいしいが、おつゆもおいしい。お茶もおいしい。

 その後、守さんの新しくできたスタジオ(なんと今回のツアーに定められていたのだ!)を見せていただき、あれこれ愉快なお話を伺っているうち時間となり、坂出駅までてくてくとみなで歩き、お見送りいただいて、今度は電車高松駅へ。

 夕食は守さんおすすめの鶏やさんに出かける。ところが、店の入口からして既に満席状態。待つひと多し、とぐろを巻く勢いの大行列。敢え無く退散。ということで、やっぱり?<うどん棒>に出かけて、冷やし天ぷらうどん(小)を食べる。
以上、本日は五杯のうどんを食べた。ぐうああ。

 起きて香川二日目の朝。
天気は生憎の雨だが、あまり気にはしていない。なぜなら、天気で前に進みにくいという気持ちになるよりも、天気であろうがなかろうが、出かけたいという気持ちが前向きならば、わたしは何の支障にもならないからだ。
 昨日から甘いものをうどんのおつゆ以外口にしていないので、朝はおめざにドーナツとコーヒーを飲んだ。駅前のドーナツショップさえも柔らかなひとの味がする。

レンタカーを借りる。小ぶりだが馬力のある、乗りやすい車である。
一路、雨風霙の舞う山を越えて、丸亀へ。
途中で、気持ちがうどん屋にひかれ、おやつに<おか泉>で釜上げ(小)を一杯。温まる。天麩羅うどんに心を奪われたが、午後から動きがあるのでここは軽めに。

待ち合わせていた守さんと、おすすめのやきとりやさんで親子丼をいただく。全員、無言になるほどおいしい。食べている間は、誰もしゃべらない。美味としか言いようがない。
これですまないのがいいところで、親子丼を食べる前から守さんが、「家康って知ってる?」と聞かれるので、「知らないです」と答えると、「じゃあ、行きましょう」ということで、食後のデザートに、てくてく歩いて<家康>に行く。かえしうどん(小)をいただく。四十年間継ぎ足したおつゆらしい。色は濃いがまったく辛くない。無性においしかった。

お世話になった守さんともここでお別れ。
二日間にわたるご案内ほんとうにありがとうございました!心温まるおもてなしに深く感謝しています。うれしかったです。おいしかったです。今でもまだ思い出すだけで口の中に涎が出ます。

 車に乗って高松方面へ。香川県立東山魁夷せとうち美術館へ。
 リトグラフの柔らかな画面がゆっくり身に染みる。
沙弥島や屋島や五色周辺やらその近くのうどんやにも行きたかったが、天候不順で通行規制がかかっていたので危険なことはせず、ここはパス。バスの時間もあるので、ゆっくりとドライブしながら、街並みを見てまわる。
 そして締めに再び<うどん棒>に来訪。今度はたこ天ぶっかけをいただいた。時間が少しあったので、お土産に地酒を買い、帰りのバスに乗る。

幼い頃から夢見てきた「うどん旅行」がいま少し達成された。まだまだ食べていない場所もあるが、今回は守さんのおかげで、見事な種類と味と場所に出合わせていただけた。ほんとうにありがたく、ほんとうにおいしかった。いただいたご縁に感謝し、守さんが讃岐富士のようなひとであることを数年ぶりに再認識した。

 おいしい物を食べ、豊かな時間を過ごすと、身体も緩やかになるのか、バスが走りだすと、ほどよい眠りに落ちた。


3月7日(日)

 下川正謡会新年練習会。
 本番前の練習ですよ、と言いながら、これが朝から晩までなので、結構たいへん。でも、今日は緊張することなく済む。
備忘録までに本日の出番を書き記す。素謡『橋弁慶』子方、『摂待』子方、舞囃子『敦盛』。地謡も能『井筒』をはじめ、『正尊』などに出演。
昨日までどこにも緊張がなかったとはいえ、終わるとなぜかほっとした。


3月6日(土)

 長時間稽古。四時間ぶっ続け。


3月5日(金)

 あちこち周って。


3月4日(木)

 疲れる。


3月3日(水)

 雛祭りだったらしい。


3月2日(火)

急に時間の空いた母に誘われて、有馬温泉に行くことになった。
急にでも探せば宿はあるもので、古い造りだったが、なかなかいい感じのところだった。月光園という宿に泊まる。
長く兵庫県に住みながら、わたしは有馬温泉で宿泊するのは初めてのことである。
交通手段は何にするかと選んだ結果、電車で向かっても時間がかからず、楽に行けることがわかり、今回は電車で移動。最寄駅から宿までさほど長くもないのだが、歩く先々で、民芸品の店やおみやげ物や、饅頭やら炭酸せんべいを売っているので、なかなか前に進めない。ついつい見てしまう。もちろん景色も楽しんでいる。
どうにかこうにか宿に着き、まずは湯に浸かる。食後もこれでもかと言うくらいに温泉に浸かる。朝風呂も忘れずに。おかげで、お肌つるつる、声もつやつやになった。その間、これでもかと言うくらい、いろんな話をする。しゃべる。
今回、神戸からも近いということ身をもって知る(山の奥地のイメージがありました)。
 また出かけたくなる場所である。


3月1日(月)

 気づけば三月、昨日は二月。

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