1月27日(月)自主退学

 ブダペスト大学ではいい学びができた。しかし自主退学を申請するメールを送った。

 たとえ100人のうち99人が差別をしなくても、たった1人でも差別をする人がいるのなら、その集団にはとてもいられない。たったそれだけのことである。

 僕は99人のハンガリー人は差別主義者ではないと信じている。ハンガリーの言語や芸術や学問の中に「差別主義者のいない世界」を見ることがあるからだ。

 でも、ブダペスト大学は自主退学する。なぜなら、差別主義者たちの差別の相手をして来たせいで、帰国する前から帰国した後にかけてもう僕は二ヶ月間くらいまともに頭脳も身体も働かなくて学問にも手がつかない状態だからだ。それに、これ以上大学に僕の時間を捧げれば、僕も差別主義者の片棒を担がされているような気がして、それに加担したくない。

 ド直球の差別を先生・スタッフ・クラスメートから毎日受けながら学校に通うなんてことはできない。

 今後、「またイイダにハンガリーに来てほしい。イイダと友達になりたい」と思うハンガリー人が奇跡のように存在することを願う。

 どちらかというと今は、このボロボロになった僕自身の精神状態をどうにかすることの方が優先である。