11月28日(木)トイレに落書きする側の人間

 大学の女子トイレに「道義的行為に反する落書きがされている」という噂が広まった。「シオニストの落書きがされている」らしかった。「これは白人・ハンガリー人差別である」ということで重大な問題として処理されるらしかった。その噂を聞いて、僕は頭が痛くなった。

「シオニストの落書き」というからには、それはハーケンクロイツのような記号が書かれているということだろう、と思った。しかし書かれていたのはパレスチナでの虐殺に対する抗議らしかった。

 パレスチナでの虐殺に対する抗議を女子トイレに落書きすれば、「シオニスト」としてスケープゴートされる大学。虐殺への抗議を「白人差別だ」と解釈する学生たち。トイレの落書きを検閲する馬鹿馬鹿しさ。

 そして、ここでは僕もちゃんとスケープゴートにされている。僕はStand with Palestineでやっているので、要するに僕が人権を主張すれば「それは白人差別だ」ということで黙らせようというポリシーだ。もちろん女性もスケープゴートの対象だ。虐殺に抗議することを許さないと言っている。

 本当に恐ろしい虐殺を告発せず、虐殺に抗議する落書きを告発して処罰するというシステムの不備。システムの権力が暴走している。

 さらに、この状況において僕は落書きを処罰する側の人間だと思われているという甚だしい勘違い。「落書きなんて非常識よねえ。飯田くんもそう思うでしょ?」思わねえよ。当然、僕はじゃない方の人間だ。落書きを非常識だと思わない方の人間。落書きする方の人間です。いくらでも落書きしますよ。