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2005年07月 アーカイブ

2005年07月22日

簡単には壊れない国民

なんだか更新が月イチのペースになってしまって、こ
れではいけないと思うのだけれど、更新のたびに他人
さまのお手を煩わせることを思うと、つい自分のブロ
グ「月刊ボンジョルノ」にちょこちょこと書いてしま
う。
ならそっちに一本化すればいいじゃんとおっしゃられ
ても、あんまりそういう気にはならない。
いろんなところにちょっとずつ違うことを書いている
のが楽しいのである。

一年ぶりの山梨出張。
甲府在住のK木元さんと旧交を温める。
K木元さんとは大学の同級生なのであるが、諸般の事
情により私よりもいくつか年上なのでさんづけでお呼
びするのである。
都内某飲み屋で衝撃的な出会いののちご結婚、二年間
ワルシャワで教員生活を送り、現地で御男子誕生、帰
国後女子高で先生をつとめておられるという、酒を飲
みながらインタビューするにはうってつけのご経験を
山ほどおもちの方なのである。

公演の都合で日曜の夜遅くになってしまったので、ち
ゃんとしたお店が開いていないということで御自宅に
お招きいただく。そんなにお気遣いいただかなくとも

実は一番聞きたかった話は、奥方のワルシャワでの出
産体験であった。
ベルリンに行ったとき友人に聞いた話に、お隣のポー
ランドはビンボー国ということで露骨にバカにされて
いて、国境を越えてやって来たぼろぼろの列車(確か
にそうだった)が走っていると、指をさして憫笑を与
え、国辱的ジョークをとばすドイツ人がいるそうであ
る(その辺ヨーロッパの人たちは仮借なく残酷である
)。
私はポーランドに行ったことがないが、そんな話もあ
って病院などは誠にお粗末なのではないかと想像して
いたのである。
プライベートの病院は設備が素晴らしいが、目玉の飛
び出るぐらい非常識な費用がかかる。
いっぽうK木元さんの身分は公務員扱いだったので、
国立病院なら基本的にタダで診てもらえる。
そこで迷わず国立病院を選んだ、「っていうか事実上
それしか無理だったのね」。
「医療水準が低いとかそういうことはありませんか」
「それ以上にとにかくタフなんですう、あそこの人た
ちは。少々のことでは壊れませーん」
いっぽう日本人の奥方は、消毒の十分でない水道水か
ら傷口が細菌感染を起こし、40度の高熱が何日も続い
たという。
医者もあわてて抗生剤をとっかえひっかえ点滴し、四
つ目に試した薬がようやく効を奏したのだそうだ。
「出産は病気じゃないから少しは費用がかかるのね。
でも病気扱いになったからおかげで治療費がタダ。は
はは。得した」
「『得した』って言うてる場合ですか!死にかけてる
じゃないすか!」
「そうともいうね。ははは」
「言葉は大丈夫だったんですか?」
「ぜーんぜん。ちっとも。たまたま少し英語の喋れる
学校の先生が同室にいてね、色々教えてもらったりし
て。OK」
OKって・・・。すげえ。すごいよ奥さん。
そのワルシャワ生まれのS宜くんがもう5歳。
「ドリフの大爆笑」のテーマ曲にのって踊っている様
子がまことに頼もしい。やはり男の子は分かりやすく
ていいものだ。
夜も更けてまだまだ話し足りないことは次の機会とい
うことに。
おいしいワインごちそうさまでした。
「甲州ワインも高いのはおいしいけどやっぱり外国産
には負けるな」と思っていたのですが、謹んで撤回さ
せていただきます。
「シャトレーゼ」という地元のお菓子屋さんが最近始
めたワイナリーの量り売りワインだとか。白も赤も大
変美味でびっくりしました。ほんとに。

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