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2004年12月10日
Every side No side
12月7日(火)
(承前)
再び、阪神芦屋駅から「越後屋」さんと大阪へと向かう。
キックオフまでは2時間足らず。
手前はまだ宿泊先のホテルにチェックインしてなかったので、「越後屋」さんには先に会場へ行って座席を確保しておいてもらい(何から何までお世話になりっぱなしなのである)、その間にチェックインを済ませて来ることにした。
宿泊先は、日本橋に今月2日にオープンしたばかりの「スーパーホテル大阪日本橋」。
オープン記念特価とかで、1泊朝食付き4,980円!なのである(「旅窓」です)。
ミナミを選んだのは、試合会場が長居だから、試合終了後の小宴はきっとミナミで行われるだろうと思ったからである(実際は、みなさん神戸方面へお帰りになるため、梅田で行われました)。
会場からのアクセスを考えれば、地下鉄御堂筋線沿いのホテルにしてもよかったのだが、何せ安かったことが何よりの決め手になったのである。
チェックインを済ませ、荷物を置いて、急いで会場へと向かう。
幸い、地下鉄堺筋線の日本橋駅がホテルのすぐ近くだったので、そのまま堺筋線に乗り、動物園前駅で御堂筋線に乗り換えて、長居へと向かった。
会場に到着したのは、4時半。すぐに「越後屋」さんのケータイに電話を入れるが、不通。
「あららー、どこにいるんだろう」と思った瞬間、すぐ目の前のトイレから出てきたのは、何と「越後屋」さんじゃあありませんか。うまくできてますよねえ。
フィールドでは、両校の選手たちが雨の中ウォーミングアップを始めている。ファイターズの選手たちを見るのは2年ぶりである。
幸い、長居の球技場には屋根がついているので、雨には濡れずに観戦することができた。
両チームの主将によるコイントスが行われて、いよいよキックオフ。ファイターズのレシーブである。
そのオフェンスの第1シリーズ、ファイターズQBのランプレーでいきなりタッチダウンを奪う。続くパンサーズの最初の攻撃をパントに抑えると、次のオフェンスシリーズでは再び敵陣の攻め込んでタッチダウン。あっという間に14対0とリードする展開となったのである。
「よおし、これならモメンタムは完全にファイターズのものぢゃ!」と喜んでいたのもつかの間、第2Qに入ると攻撃が手詰まりとなり、逆にパンサーズには前半終了間際に1本タッチダウンを返されてしまう。これで14対7。
ハーフタイムをはさんで、後半が始まる。
ちょうど後半が始まってすぐに、イワモトさんたちが会場に到着する。何と、イワモトさんはパンサーズの大学出身だったそうなのである。
周囲総アウェイの中で、パンサーズのプレーに一人でこそこそと小さくガッツポーズしたりしながらの観戦である。
そのイワモトさんが、くっくっくっと喜ぶプレーがパンサーズに飛び出した。
後半早々の攻撃で、ディフェンスの囲みを抜け出したパンサーズの選手が、タッチダウンを決めたのである。
これで同点。
その後は、両チームともにディフェンスが踏ん張り、攻撃が不発。試合はそのまま第4Qが終わっても同点のままであった。
リーグ戦ならば、このまま両校引き分けで終わるのであるが、プレーオフはそうはいかない。どうしても決着をつけなければならないのである。
ファイターズ出身の「越後屋」さんに、「延長戦ってどうやってやるの?」と尋ねる。
タイブレーク特別ルールは、コイントスを再び行って先攻後攻を決め、ゴール前25ヤードから1シリーズの攻撃を行い、入った点差によって勝敗を決するとのことであった。
その延長戦。パンサーズは先攻で無得点。後攻のファイターズはゴールに迫ってフィールドゴールを試みるが失敗。決着がつかない。
次のシリーズは、ファイターズが先攻してタッチダウン。しかし、後攻のパンサーズもタッチダウンを奪って同点。まだ決着がつかない。
続くシリーズでようやく決着がついた。
先攻のパンサーズがゴールまで詰めてフィールドゴールを決めたのに対し、ファイターズはゴールまでのヤーデージを詰められないままフィールドゴールを試みて失敗。3時間に及ぶ激闘の幕が降りたのである。
最後のファイターズのキックは、とても正視に耐えなかった。
キックを失敗した選手は、これからしばらくの間、自責の念に苛まれるのであろう。あの場面で、篠突く雨の中、キックによる勝敗決定場面を設定した神の戯れを残酷に思う。と同時に、勝負の厳しさを思う。
延長戦に入った頃から、手前の心の中には、「両校の選手たちはこれだけのすばらしいゲームを展開している。この上さらに勝敗を決めることに、いったいどれだけの価値があるというのだろうか」という疑念が萌していた。「もういい、もういい、十分だ」と思っていたのである。
母校の試合を見て、こんな気持ちになったのは初めてのことである。
身贔屓もあるのだろうが、この試合には勝敗を超えた「何か」が確かにあった。
それが何かはうまく形容ができないが、確かにあったのである。
ラグビーでは、試合終了とは言わず「ノーサイド」と言う。
この試合に限って言えば、まさに「ノーサイド」という言葉がぴったりであったと思う。
試合の余韻が醒めやらぬままに、ドクターと大迫力くんが待つ梅田へ。
大迫力くんと会うのも、ゼミ打ち上げ宴会以来である。
大迫力くん馴染みの小料理屋にて、再会を祝して乾杯。
手前は昼間の稽古で極度の水分不足となっていたため、ビールをそれこそ水を飲むように急ピッチで大量に摂取する。隣で、大迫力くんが「まあまあ飲みねえ」とばかりにどんどん注いだからである。
2次会は落ち着いた雰囲気の洋酒屋さん。
ドクターお薦めの「バーボンのソーダ割り」を、これまたくいくいと飲んでしまう。
ドクターからは、「もっと過激な内容の日記を期待してます」などと言われるのだが、職業柄なかなかそうはいかないというのを理解していただく。
とにかく、内田ゼミ聴講生のみなさんとの宴会は、楽しいことこの上ないのである。あっという間に時間が過ぎてしまう。
日ごろ、書類の提出に逐われている身には、過ぎた贅沢の時間であった。
帰りがけ、イワモトさんから「芦屋にぜひ稽古に来てくださいね、月に一度は来るんでしょ?」とお誘いを受ける。
行きたい!できることなら、ホントに月に一度は行きたい。これからは、内田研究室の「合気道会連絡板」をこまめにチェックして、何とか参加できる日を探すつもりである。
しこたま飲んだので、そのままホテルに帰って気を失うように爆睡。
かくて、合気道、フットボール、ビール、バーボンの夢のような一日は過ぎていったのであった。楽しいツアーを企画してくださった「越後屋」さんをはじめ、みなさんいろいろとありがとうございました。
投稿者 uchida : 2004年12月10日 19:48
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