豊岡演劇祭2026

9月19日(土)
 いつもの9時20分梅田発、城崎温泉行全但バスに乗り、豊岡へ向かう。思えばちょうど一年前、中貝前市長に会いに行ってから、今回で7回目となり、二か月に一回は豊岡に行っている計算になる。今回の目的は、「豊岡演劇祭」のボランティア活動に参加するためだ。シルバーウイークの初日のせいか、二台体制になっていた。こんなの初めてだ。しかも、二台とも満席で、みんないったい何を目当てに行くのだろう。
 途中、中国道の工事渋滞により一時間遅れて豊岡に到着。腹ごしらえのため、駅前のインド料理屋さんでカレーを食す。辛い。お腹もいっぱいになり、夜ご飯の買い出しのため「アミティ」へ行く。ビールとワインとおつまみを買い、もはや常宿と化した「豊岡グリーンホテルモーリス」にチェックイン。部屋で少しだけ相撲を観た後、今晩のボランティアの準備のために、「まちの基地アンテナ」へ向かう。そこでは、若い学生たちが、演劇祭情報や飲み物を提供したりしている。彼らに話かけてみると、全員芸観大(兵庫県立芸術文化観光専門職大学)の学生で、「豊岡演劇祭」を前面的にサポートする仕組みとなっている。いい機会だと思い三人の学生にいろいろと話を聞いてみた。
僕「どちらの出身ですか」
三人それぞれ「新潟、広島、徳島」
僕「どうして芸観大を選んだの」
Aさん「ネットで調べたら、面白そうだなったと思って。同じような学校は他にないから。」
僕「住んでいて不便はない」
Aさん「特にないです。GUがないことぐらいかな(笑)。一年目は校内の寮に入れるけど、二年目からは出ないといけなくて、今住んでいるところの家賃が高いのは、少し辛い。」
僕「将来はどんな仕事に就こうと思っているの」
Bさん「僕は物を書くのが好きなんです。その時間を邪魔されたくないので、ドッグトレーナーになろうと思っています。」
 三人に共通しているのは、大変前向きで楽しそうなことである。しゃべっているうちに
こちらの気分も楽しくなってくる。ちなみに、このBさんは齊藤文也くんといい、文章投稿サイト「note」に投稿した作品が、「ウェブトゥーン原作大賞第1期」の特別賞を受賞している。応募総数991作品の中から選ばれたそうだ。がんばれ、齊藤くん!
   齊藤くんの作品は、こちらです。
「手紙 - 同行人チコル〜かつて勇者と呼ばれた男を見届けるまで〜 | TALES 物語・小説」
https://tales.note.com/mako_tanaka0510/w3lx201u0qnoshttps://tales.note.com/mako_tanaka0510/w3lx201u0qnos

17時 荷物を抱えながらボランティア活動場所の「豊岡稽古堂」へ向かう。どうやら二人一組で演劇祭グッズの物販を行うようだ。僕たちがサポートする演目は、スヌーヌー「海まで百年」。
『海まで100年』 | 豊岡演劇祭2026 Toyooka Theater Festival https://toyooka-theaterfestival.jp/program/17152/
 もう一人のボランティアスタッフは、出石町の女性の方で、仕事をしながら手話の勉強をしているとのこと。何か社会の役に立ちたいとの思いから、今回初めて参加したそうだ。20時に公演が終了し、一日目は終了。

9月20日(日)
 本日はオフ。サポーター特典を利用し、城崎へ芝居を観に行くことする。豊岡駅からは、僅か二駅だが、本数が一時間に一本しかないのがネック。回遊型演劇祭を謳っているにしては、アクセスの悪さは、改善点として挙げておく。豊岡市内から城崎温泉で、この具合なら、他のエリアとなると車が不可欠となる。
 13時 市原佐都子/Q 「キティ」@城崎国際アートセンター
   『キティ』 | 豊岡演劇祭2026 Toyooka Theater Festival
https://toyooka-theaterfestival.jp/program/17155/
   「2024年、韓国の性売買についてリサーチをしました。キム・ギドクの映画を思
わせるような風景のなかで、女性たちはガラス張りのショーケースに入り、赤いライトに照らされていました。それは、肉屋で肉が赤いライトに照らされている光景を思い起こさせました。性行為をする小部屋のカーテンには、あのかわいい子猫がプリントされていました。私はその子猫のまっ黒な目と目を合わせたのです。この体験から、この世界をその子猫の真っ暗な目を通して描くことにしました。」(チラシに掲載されていた市原佐都子談)
 たいていの「変なもの」を見てきた僕は、そういうものに対して耐性があるのだが、久しぶりに「変なもの」をみた。しかし、もう二度とみたくないと思ったのかといえば、もう一度この作家の芝居を見てみたいと思ったのである。

18時  ホテルの近くの居酒屋で、Mさんと会食。知り合って一年も経っておらず、ご飯
を食べるのも今回で三回目なのだが、昔から知っているような気がする。
 どこまで書いていいのかわからないので、内容は伏せておくが、興味深い話をた
くさん聞かせていただく。いつもありがとうございます。

9月21日(月)
 朝から少し強めの雨が降っていて少し肌寒い。
10時「永井玲衣による「てつがく対話」」に参加するため「まちの基地アンテナ」へ。
   「豊岡演劇祭」のプログラムは、大きく分けて二つに分類することができる。
   ・公式プログラム
   ・フリンジ
    ワークショップ、講座、大道芸など、劇場以外での演劇空間を創出。
    昨日観戦した、「Q「キティ」」が公式プログラムで、「てつがく対話」がフリンジとなるわけだ。
 「てつがく対話」は、参加者が日常の何気ない疑問を発表し、そのなかからひと
つを選んで、参加者同士により意見を交換するというもの。
 僕が、一番面白いと思ったのは、妻から離婚を切り出された男性の話で、彼は
ふと海を見たくなり、竹野で海をみたあと、「まちの基地アンテナ」の向かいのホ
テルに泊まり、ふと「まちの基地アンテナ」に立ち寄りこのイベントに参加した
そうだ。今回の演劇祭のことも知らない。
 質問は、「離婚について自分でも決心がついた矢先に、妻から撤回したい旨連絡が
あり、どうしていいか分からない。このまま流れに任せて決断してもいいのか」
というもので、ほとんど人生相談に近く残念ながら別のトピックに負けてしまった。
 12時 二回目のボランティア。場所は一昨日と同じ「豊岡稽古堂」 。今日は、吹田から
やってきたという大阪大学の学生で、卒論のテーマに「豊岡演劇祭」を選んだらしい。熱心に「フィールドワークメモ」と表紙に書かれたノートに逐次メモをしている。
 それにしても寒い。
 夕方ボランティアが終わり「アミティ」へビールを買いに行く。一昨日はワインだったので、今晩は但馬名物「香住鶴」を飲むことにする。

9月22日(火)
 14時 ボランティア交流会に参加。
    10人ほど参加していたが、男性は僕を含めて3人。しかも、3人ともリタイア組
    で僕以外は地元の方たち。一方、ボランティアで一緒に仕事をした方はすべて女
性で3人のうち2人は県外の方だった。
「男はダメだな」というのが、僕の率直な感想である。
 今回の演劇祭、ボランティア、劇団主催者に女性が多かったのが大きな特徴とい
えるだろう。社会あるいは公共への意識が男と女でこれほどまでに違うのは、「日
本の男」の問題なのか、「男」の問題なのかは分からないが、僕は前者のような
気がする。

 17時 三回目のボランティア。宝塚からやってきたというサポーターは、高校の国語の先生で、平田オリザの講演を聞き、演劇による地域創成というアイデアに惹かれ、参加したそうだ。
    ボランティア特典で、演劇鑑賞が可能とのことで、芝居を観ることにする

9月23日(水)
 7時40分 始発のバスで帰宅。
 さすがに4泊の旅は疲れた。
 もっと豊岡のことを知りたいと思い、今回参加したのだが、いろいろなことに気づかされるものとなった。なかには、草架社としてビジネスに繋がりそうな発見もあった。すべては、ちょっとしたミスマッチングによるもので、そのミスマッチを少しでも埋めることができるなら、こんなにうれしいことはない。